スポンサーリンク

ニュース 政治用語

国際連合とはどんな組織?設立や機関や日本との関係についてわかりやすく解説!

2020年9月20日

ニュースや新聞で世界情勢の話題になったとき、「国際連合」というワードを聞いたことはありませんか?最近でいうと昨年、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが各国首脳の前でスピーチして話題になりました。中学生以上の方なら、学校での授業なども含めて一度は耳にしたことがあるかと思います。しかし、国際連合って何?と聞かれて答えられる人はそう多くないのではないでしょうか。

今回はそんな名前は知られているのに中身が知られていない国際連合について、その概要や目的などについてご紹介します。

国際連合の概要

「国際連合」とは、ズバリ「より良い世界を目指す国際機構」です。ざっくり、世界規模で組織される委員会という風にイメージしていただければと思います。日本では国際連合または国連と呼ばれ、英語だとUnited Nations や UN と略して表記されます。1945年10月に設立され、現在では世界193カ国が加盟しています。日本は1956年12月18日に加盟しており80番目の加盟国です。

国際連合の本部はアメリカのニューヨークにあり、直方体の建物前に加盟国の旗がはためいている写真は見たことがある方もおられるかと思います。英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語の6か国語が公用語として使われており、国際連合のホームページもこれらの言語で閲覧することができます。残念ながら日本語は国連内では公用語ではありません。

国連の主要機関として、国連総会や安全保障理事会、経済社会理事会などがあり、様々な活動範囲において議論が行われています。このほか、ユネスコやWHOなどの国連専門機関、ユニセフに代表されるような国連基金が関連機関として数多く活動しています。

名前は聞いたことあるけど、国連の関連機関だったの?と思う方もおられるかもしれません。このように多種多様な分野にわたって国際連合の理念に根ざして設立された組織が、世界規模で活動しています。これらの団体については後ほど改めて紹介します。

国際連合の目的

国際連合の設立目的として先ほど「より良い世界を目指す」とざっくり表現しましたが、国連憲章という条約により以下のように規定されています。

ポイント

・国際平和と安全を維持する
・人民の同権および自決の原則の尊重に基礎をおいて諸国間の友好関係を発展させる
・経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決し、人権および基本的・自由の尊重を促進することについて協力する
・これらの共通の目的を達成するにあたって諸国の行動を調和するための中心となる

以上の4つが国連の設立目的として定められています。また、国連憲章には国連の行動原則も記されており、

ポイント

・すべての加盟国の主権平等の原則を基礎とする
・すべての加盟国は憲章に従って負っている義務を履行しなければならない
・加盟国は、国際紛争を平和的手段によって国債の平和および安全ならびに正義を危うくしないように解決しなければならない
・加盟国はいかなる国に対しても武力による威嚇もしくは武力の行使を慎まなければならない
・加盟国は、国連がこの憲章に従ってとるいかなる行動についてもあらゆる援助を与えなければならない
・憲章のいかなる規定も本質的に国の国内管轄内にある事項に干渉する権限を国連に与えるものではない

としています。国連の加盟国はこれらの原則にしたがって政治的決定を行う必要があります。

国際連盟?国際連合?

国際連合とよく似た言葉として、国際連盟を聞いたことがある方もおられるかもしれません。これらはどう違うのでしょうか?
実は、現在の国際連合の前身となるのが国際連盟と呼ばれる国際機構だったのです。第一次世界大戦後、大戦を教訓として世界平和の維持と国際協力を目的とし、1920年に設立されました。加盟国は42カ国で、本部はスイスのジュネーブに置かれていました。

しかし、アメリカは上院の反対で未参加。また日本、ドイツ、イタリアが相次いで脱退し、徐々にその影響力を弱めていきました。

そして1939年に第二次世界大戦が始まったことで活動を休止します。

戦後、国際連合の設立に伴い解散しましたが、平和活動、国際協力といった国際連盟が掲げた精神は「国際連合」の中でも受け継がれています。活動内容としては、国際連合は国際連盟のものを包括しつつ、経済問題・人権保障などのより幅広い分野により多くの国が共同で取り組んでいるといった感じなので、国際連盟の進化系が国際連合というように理解いただければと思います。

国際連合の成立

ことの発端は第二次世界大戦中の1941年でした。連合国の中心的存在だったアメリカとイギリスが、国際社会の方向性を提案した「大西洋憲章」が元になっています。
その中で、それまで存在していた国際組織の国際連盟が、第二次世界大戦を防ぐことができなかった反省を踏まえて、新たな国際組織を創る必要があると提案したわけです。
これを受けてソ連、中国、フランスが同調し、世界平和実現に向けた構想が発展。
そして1945年4月に連合国50ヵ国が参加したサンフランシスコ会議において、国際連合の設立が決議されその後の10月に正式発足したのです。
連合国50ヵ国に加え、ポーランドが加わったことで参加国数51ヵ国でのスタートでした。
ちなみに日本が国連に加盟したのは1956年。80番目の国として参加しました。最も最近では2011年に南スーダンが加盟しています。

ここにもあそこにも国連の機関

国際連合の本部はアメリカのニューヨークに置かれています。
主要となる機関は「総会」「安全保障理事会」「経済社会理事会」「信託統治理事会」「国際司法裁判所」「事務局」での6つ。それらの下部組織として多くの補助的機関があり、例えば、私たちのよく知るところでは世界遺産の認定などを行うユネスコ(国連教育科学文化機関)や、紛争地の子供たちの援助などを行うユニセフ(国連児童基金)、他には国際通貨基金(IMF)などがあります。
ここで、先ほど少し名前が出てきた国連の関連機関について、いくつか紹介します。今回紹介するのは安全保障理事会、ユネスコ、WHO、ユニセフの4機関です。

安全保障理事会(国連安保理)

基本的にはどの機関も重要な役割を果たしていますが、6機関の中でも中心的存在なのは安全保障理事会。この機関は国際平和を維持する為の活動を行うことを目的としています。

安全保障理事会(安保理)で決定したことは、国連の加盟国は守らなくてはならないので、事実上の最高意思決定機関なのです。
安保理には常任理事国というものがあって、それはアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5ヵ国です。それに加えて非常任理事国というものがあり、それは国連の総会で決定され、10ヵ国が選ばれます。任期は2年と決まっています。つまり、安保理はこの15ヵ国で構成されています。

また、常任理事国には拒否権というものがあって、たった1つの常任理事国でも反対すれば安保理で議決とはならないという強い権限を持っています。
しかし、そのおかげで冷戦時代にはアメリカとソ連の拒否権の乱発が目立つようになっていき、ソ連はソ連の不利益となる議案に容赦なく拒否権を行使して当時の外相であるアンドレイ・グロムイコがミスターニェット(ニェットнетは、ロシア語でいいえという意味)と呼ばれるほどだったとか。
しかしこれが大国の利己主義を通すためだけの規定との批判もあるのです。

こちらもCHECK

安全保障理事会ってどういう組織?その活動についてわかりやすく解説!

メディアやSNSを通じて、間断なく国際情勢が伝えられる昨今。ネット環境の整備や経済のグローバル化などで世界の国々はより近接し、互いに与える影響も以前よりぐっと強まっています。 当然そういった国際関係は ...

続きを見る

こちらもCHECK

常任理事国とはなんのこと?作られた経緯から問題点までわかりやすく解説!

日頃、国際ニュースで「常任理事国」というワードよく目にします。国際連合、略して国連に関係していることはわかっていますが、歴史や作られた経緯はよく分かっていない方が多いのではないでしょうか?そこで今回は ...

続きを見る

国際連合教育科学文化機関(UNESCO)

ユネスコは、正式名称「国際連合教育科学文化機関」(United National Educational Scientific and Cultural Organization)と言い英語名の頭文字を取ってUNESCOという略称で呼ばれています。日本語名から想像できますが、教育、科学、文化面からの国際協力を目的として設立されました。

活動内容として知られているものは、やはり世界遺産の制定でしょう。世界遺産は、未来の世代へ引き継ぐべき貴重な建物や景観の保護、保全を通して、国際協力および援助体制を確立することを目指して制定されています。2019年7月時点で1121件が世界遺産に登録されており、日本国内にも姫路城や原爆ドームをはじめとした23件の世界遺産があります。

世界保健機関(WHO)

WHOは、「世界保健機関」(World Health Organization)の頭文字を取ったもので、すべての人の健康増進・保護に関わる国際協力を目的として設立されました。

WHOは健康の定義として、病気の有無ではなく肉体的、精神的、社会的に満たされた状態にあることを掲げており、差別なく最高水準の健康に恵まれることが基本的人権であると主張しています。

活動としては高血圧、がん、肥満などの疾患に関する国際的ガイドラインの策定が主になります。今年に入ってから、新型コロナウイルス関連のニュースで名前を耳にすることも多かったのではないでしょうか。

国際児童基金(UNICEF)

ユニセフは「国連国際児童緊急基金」(United Nations International Children’s Emergency Fund)として1946年に設立されました。1953年に「国際児童基金」と改称されましたが、略称のUNICEFは現在もそのまま用いられています。もともとは第二次世界大戦後、戦災孤児の救援を目的として活動をスタートしました。

大戦の影響が薄れてきた昨今ではより活動対象を広げ、発展途上国や災害被災地での子どもたちへの保健、教育、福祉援助を主な活動としています。世界中から集められた寄付金で、医薬品や教材の配布などを行い、恵まれない環境の子どもたちを支援しています。

国際連合と日本

国際連合の加盟

日本は第二次世界大戦で負けたために、国連の発足当初は加盟することができず、加盟が認められるまでは国際社会の理解を得る必要がありました。
最初1952年に参加を希望したのですが、当時は東西冷戦の最中であり、東側の大国であった常任理事国のソ連が加盟に反対してすぐには参加が認められませんでした。

そこで、1955年に当時の鳩山一郎内閣がアジア・アフリカ会議に参加し国際社会へ復帰の足掛かりとし、当時険悪な関係だったソ連とも1956年に日ソ共同宣言を交わして国交を回復させました。

その結果、ようやく同年12月に国連への加盟が認められました。国連の前身である国際連盟を日本は1933年に脱退していたので、それ以来23年ぶりとなる国際社会への復帰だったのです。

国連協力と日本

国連に加盟した日本は、国際社会へ数々の貢献を重ねてきています。その貢献はおもに外交によるものですが、日本は国連にたくさんの経費を拠出しており、金額としてはアメリカに次ぐ大きさを負担しています。人道的にも数々の貢献を果たしてきました。

しかし近年、軍事的な貢献も求められるようになっていきます。
特に問題になったのは1991年の湾岸戦争の時。

「お金を出すだけではダメだ!人も派遣するべきだ」と特にアメリカから圧力を受けるようになり、自衛隊を国連へ派遣するか否かの大きな議論が起きました。そして国連平和維持活動(PKO)へ自衛隊を派遣することを認める「PKO協力法」という法律ができたために、武力的にも貢献せざるを得なくなりました。つまりは自衛隊が世界各国の紛争地などに派遣されるようになったのです。

まず1992年にアンゴラの選挙監視団として3名を派遣したことから始まり、続いて同年にカンボジアへ600人の自衛隊を派遣しています。その後はモザンビークやゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンなどに延べ1万人以上の自衛隊員が派遣され紛争解決に貢献しているのです。
しかし問題点もあり、紛争に巻き込まれて隊員や現地住民が命を落とすなど、常に危険を伴っています。

その間にPKO協力法は何度か改正を重ね、国際社会から求められる貢献を果たすことを目指していますが、戦争に反対する憲法第9条との絡みもあり今後もますます議論が交わされることが予想されます。

まとめ

日本で生活していると実感しにくいことも多いですが、貧困、紛争、人権問題など、世界にはまだまだ解決すべき問題が数多くあります。それらの問題を、平和的にそして協力して解決を目指すのが「国際連合」なのです。

そう思うと、これまでニュースで何気なく見ていた国連の話題などもすごく重みをもったトピックに聞こえてきませんか?この記事が世界情勢に興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです。

スポンサーリンク

こちらもおすすめ!

1

ニュースや新聞で世界情勢の話題になったとき、「国際連合」というワードを聞いたことはありませんか?最近でいうと昨年、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが各国首脳の前でスピーチして話題になりました。中学 ...

2

1914年から1918年にかけてヨーロッパでは第一次世界大戦が繰り広げられていました。 そしてこの戦争はヨーロッパの体制を根本から崩すこととなり、現在にもつながる影響も残すことになったのです。  今回 ...

3

世界の政治体制は、それぞれの国によって違っています。同じ民主主義国家でも、国によって大統領制をとっている国、議員内閣制の国と、政治体制の採用が違っているのです。 日本は、御存じの通り、議院内閣制を採用 ...

-ニュース, 政治用語
-, ,

© 2021 レキシデセカイ Powered by AFFINGER5