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日本史

日米和親条約ってどんな条約?開港の目的や内容についてわかりやすく解説!

2020年11月7日

1854年3月31日、ペリー来航により日本とアメリカ合衆国は日米和親条約を締結しました。

この条約を結び、当時の日本の函館と下田が開港され長きにわたる日本の鎖国体制がなくなりました。ここで疑問なのが、なぜ今までかたくなに鎖国体制をつらぬいていた日本がすんなりと条約を結んだのか?

実は、この日米和親条約を結んだのは今から150年も前の話ですが、現代に生きる私たちにもかかわっている重大な出来事なのです。
今回はそんな日本が大きく変わった条約である日米和親条約についてみていきたいと思います。

日米和親条約とは?

日米和親条約の原文

日米和親条約とは1854年に江戸幕府とアメリカ合衆国が締結した条約です。結ばれた場所から神奈川条約ともいいます。

アメリカ側の全権は一年前に浦賀に来航したマシュー・ペリーでした。

この条約によって日本は下田と箱館を開港して江戸幕府初期からの鎖国体制は終焉を迎えることになりました。

ポイント

日米和親条約

第1条:日米間は場所に関わらず永久的に友好関係にある。
第2条:日本は下田と箱館を開港してアメリカは食料・燃料などの物資供給を受けることができる。
第3条:アメリカ船舶が難破や座礁した場合には日本は乗組員の身柄を保護してアメリカ側に引き渡すこと。その際の費用は請求しない。
第4条:アメリカ人の遭難者の権利は他の国においてと同様に自由である。
第5条:下田、箱館に居留するアメリカ人は長崎に居留する他国の人々のように行動を制限されない。
第6条:他に物品のやりとりや取り決めなど必要とされる事態が発生した場合は日米間で協議を行う。
第7条:下田、函館においては、金貨、銀貨での購買や物々交換をすることができる。
第8条:物品を調達する際は日本の役人が世話をする。
第9条:アメリカに片務的最恵国待遇を与える。
第10条:悪天候など特別な場合を除き、アメリカは下田、函館以外へ来航してはならない。
第11条:両国のどちらかが必要とした場合、締結日より18ヶ月以降たてばアメリカ政府は下田に領事を置くことができる。
第12条:両国はこの条約を守る義務があり、18ヶ月以内にこの条約を批准する。

日米和親条約を締結した日本の理由

日本の日米和親条約を結んだ最大の理由は、イギリスなどの欧米諸国に対抗するためです。

当時の海外情勢は、清国がアヘン戦争でイギリスに負けたことから欧米諸国に勢いがありました。日本も異国船打払令を緩和して天保の薪水給与令をだしたことから欧米諸国を当然警戒していたに違いありません。

そんななか、ペリーが自分たちの目的を達成するため日本に「仲よくしよう」と交渉してきました。

当時の日本からすると、イギリスやロシアと比べるとアメリカはまだイギリスから独立して間がなく、まだまだ発展途上の国だったので交渉しやすかったのです。

だから日本はアメリカと仲よくして、イギリスやロシアに対抗するため日米和親条約を結びました。

日米和親条約を締結したアメリカ合衆国の理由

交渉の様子

日本が欧米諸国の圧力に対抗するために日米和親条約を結びましたが、アメリカ合衆国にも理由がありました。
アメリカ合衆国が日米和親条約を締結した理由は次の2つがあります。

ポイント

1. 貿易の拡充のため
2. 捕鯨漁のため

それでは、1つずつ見ていきましょう。

貿易の拡充のため

アメリカ合衆国が日米和親条約を締結した理由の1つが貿易の拡充のためです。

現代で考えると、起業したての会社が自社を大きくするため取引先を探していたのですね。そこで、アメリカ合衆国が取引相手として目を付けたのが清国です。

清国はこの当時ですら人口が4憶人。独立したばかりのアメリカ合衆国からするととても魅力的な市場でした。ただ、1つ問題がありました。アメリカ合衆国が清国へ行くにはかなり距離が遠かったのです。

だから、途中で休憩できる場所を見つける必要がありました。それが、日本の箱館でした。日本を休憩地として燃料補給をしたかったのです。

捕鯨漁のため

アメリカ合衆国が日米和親条約を締結した理由の2つ目が捕鯨漁のためです。

産業革命により当時のアメリカ合衆国では、綿糸の製造が盛んにおこなわれていました。さらなる生産性を向上させるため昼夜を問わず作り続けようと考えたのですね。

でも、白熱電灯がまだ無い時代だったので夜に作業するための灯りが必要になります。そこで、目をつけたのがクジラの油です。

たまたま座礁したクジラの油を良く燃えたことから灯りの燃料としてクジラ漁が盛んになりました。クジラが多く生息していた太平洋で漁を行うためには、水や燃料などを補給できる場所が必要ですよね。

その補給地として最適な場所だったのが日本ということです。

アメリカ合衆国は自国を大きくするため日本と条約を結ぶ必要があったのです。

日米和親条約が日本に与えた影響

日本とアメリカ合衆国のお互いの理由によって結ばれた日米和親条約ですが、日本には誤算がありました。

それは、日米和親条約の中に「最恵国待遇」といった内容が含まれていたためです。

「最恵国待遇」とは、日本がアメリカ合衆国以外の国とより良い条件で条約を結んだ場合、自動的にアメリカ合衆国も同じ条件になるというものです。
しかも、日本には認められずアメリカ合衆国のみ許されるという内容です。

日本にとって不平等と言わざるを得ない日米和親条約がその後の日本にどのような影響をもたらしたのでしょうか?
大きくわけて、次の3つが日本に影響を与えたと考えられます。

ポイント

1. 他の国との条約
2. 幕府の崩壊
3. 現代にも残る国際問題

それでは、1つずつ見ていきましょう。

他の国との条約

日米和親条約が日本に影響を与えた1つが、他の国との条約です。

アメリカ合衆国が「最恵国待遇」を条約の中にいれた理由は、日本を独り占めするためではありません。

なぜなら、独り占めしてしまうと、当時まだ弱小国であったアメリカ合衆国がイギリスやフランスなどの大国に目をつけられてしまいますよね。だから、「皆で仲良く日本という地を活用しましょう」といった内容を日米和親条約に盛り込んだのです。

そうとは知らず、自国を守るために結んだはずの日米和親条約をきっかけにイギリスと日英和親条約、ロシアと日露和親条約といったように他の国と条約を結ぶことになっていきます。

幕府の崩壊

日米和親条約が日本に影響を与えた2つ目が幕府の崩壊です。

今まで鎖国をかたくなに守ってきた日本がどんどん色々な国と条約を結び国民は不安に感じたはずです。

現代に置き換えて考えてみると、自分が働いている会社が色々な国と合併して他社の人間が入ってきたら、「うちの会社が大丈夫かな?」と、不安になりますよね。

このままでは日本が終わってしまうと危険を感じた人々が国を変えようと行動を起こすことになる幕末へと時代は移っていくになります。

現代にも残る国際問題

日米和親条約が日本に影響を与えた3つ目が現代にも残ってしまう国際問題です。

ロシアと結んだ和親条約の中に、日本とロシアとの国境に関する話が盛り込まれていたのです。これがのちの「北方領土問題」につながっていくのです。

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ただし、日露和親条約の締結時点では日本の択捉島とロシアのウルップ島の国境を確認する内容でした。

北方領土問題が起こるのはもう少し後のお話になります。

しかし、日米和親条約の日本の姿勢が国際問題の引き金になったのは間違いないでしょう。

まとめ

日米和親条約を結んだ日本とアメリカ合衆国では、後に歩む国の未来が大きく変わってしまいます。

大きく違ってしまった理由としては、日本とアメリカ合衆国の条約を結ぶ理由だったのではないでしょうか?もちろん当時の日本も自国を守るための決断でした。
ただアメリカ合衆国の方が、より自国を発展させるためにどうしたらいいのかといった具体的な目的だったと感じます。日本の姿勢は欧米諸国に対する圧力をかわすためであり、保守的で外国に対して弱気な姿勢ですよね。

当時のアメリカ合衆国が絶対的に正しいとまでは思いません。

ただ、少なくとも自国を大きくするためには保守的な姿勢よりも挑戦する事の大切さを学びました。今後の日本の未来を考えると明確な国としての方向性を示す必要があるのかもしれません。

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