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政治用語

社会契約説ってどんな思想?生まれた理由や影響についてわかりやすく解説!

「社会契約論」は、近代に影響を与えたと言われることが多いです。しかし、今現在でもしばしば政治学などの学問で語られることも多いです。

17世紀の西洋諸国は、近代化に向けての大きな節目を迎えようとしていました。特に、フランスでは、長きに渡る国王による「絶対主義」の政治に対して、市民の怒りが頂点に達しようとしており、フランス革命(1789-1799)がまさに勃発しようとしていた時期です。

そして、フランス革命のような大きなムーブメントを引き起こすきっかけの一つとなったのが、「社会契約論」でした。

この記事では、社会契約論とはなにか?社会契約論が世間に与えた影響はなにか?について、気になる点を解説します。

社会契約説とは

社会契約説の起源は、古代ローマにまでさかのぼると言われています。そのため、多くの思想家や政治哲学者たちによって語られており、「社会契約論」一つとっても様々なものがあります。

しかし、シンプルに言うと「私たちのこの社会は、どうやって生まれたのか」を考える思想、政治哲学の一つであるとまとめることができます。
社会が作られるためには、どんなルールや秩序が必要か?社会が社会であり続けるためには、どんなことをしなければならないのか?

このように、「社会の起源」について考えています。

また、『社会契約論』という有名な本があります。この本は、フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778)が執筆した本です。社会契約論というと、ルソーの執筆した『社会契約論』を指すことが多いでしょう。

ここで語られる社会契約は、「社会や国家は、人々(市民)との契約によって成立した」と考えています。「社会契約」とは、国家と人々(市民)との関係についての契約のことです。

ルソーが『社会契約論』の中で語った社会契約説は、近代的なものでした。そのため、世界史の中でも代表的な市民革命である「フランス革命」に影響を与えるほど、大きな力を秘めていました。

さらに、ルソーの『社会契約論』は、現代でも語られることが多いです。そのため、近代から現代にかけて大きな影響を与えた本である、と言うことができるでしょう。

社会契約説を説いた主要人物

「社会契約論」や「社会契約」という言葉は、歴史上、多くの人物が使っていましたが、ここでは社会契約論を語る上で重要となる3人の人物をご紹介します。

トーマス・ホッブズ

トマス・ホッブズ

トーマス・ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588-1679)は、『リヴァイアサン』(という本を執筆したことで有名です。「リヴァイアサン」とは、『旧約聖書』に登場する海獣のことです。

まず、ホッブズは「人間は自己中心的な存在だ」と考えます。

ホッブズの有名な言葉に「万人の万人に対する闘争」という言葉があります。これは「もし、社会的・政治的共同体がなかったとしたら、自分の命を守るために、人は争い続ける」ということを表現しています。

つまり、弱肉強食の世界になるので、「自然状態=戦争状態」であると考えました。「自然状態」とは、「もし、人間が政治的・社会的共同体を作らなかったとき」の状態のことです。

このような状態だと「自然権」が保証されません。「自然権」とは「人が自分自身の命を守る権利」のことです。この自然権を守ることができるくらいの、強い国家や社会づくりが大切だと考えました。

そのため、個人(市民)は自分を守ってくれる国家や社会に「自然権」を預けて国家に絶対服従すべきだとホッブズは考えます。

結局、絶対政治の正当性を説いたような感じになっていますが、ここで大事なのは「自然権」という権利から、新しい考え方が派生したことです。

自然権とは、先ほども述べたように「人が自分自身の命を守る権利」のこと。つまり「誰でも自らの命を自分で守る権利がある」という考え方の中には、「人は生まれながらにして皆平等」の理念が見えてきます。

また、「戦争状態は悪いこと」とし「平和の状態を目指すことは良いことである」と考え、人類全体の理想目標である「平和」を大事にしています。同時に、「平和のための手段であれば、どんな行動も善である」とも考えています。

ジョン・ロック

ジョン・ロック

ジョン・ロックはイギリスの哲学者で「自由主義の父」とも呼ばれています。

ロックは、ホッブズとは違って「人間は本来、理性的な存在だ」と考え、自然状態は「人がお互いに尊重し合いながら生活している」という平和な状態とていぎしました。

自然権は、より強固に守るために国家や社会と社会契約をします。しかし、国家や社会に委ねるのは、権利の「一部」だと考えます。さらに、国家や社会が人々(市民)の意思に反したことを行った場合は、抵抗して良いとし、また、その委ねた権利を取り戻す努力をしても良いと説きました。

ロックのこの自由主義の考えは、アメリカ独立宣言やフランス人権宣言に影響に大きな影響を与えました。

ジャン=ジャック・ルソー

ジャン=ジャック・ルソー

ジャン=ジャック・ルソーは、冒頭でも述べたように『社会契約論』さらに小説『エミール』(Emile, 1762)を執筆した人物として有名です。

ルソーはまず、「人間は、もともとお互いを思いやる心を持っている」と考えます。

そして、彼が考えた自然状態は、「完全なる自由・平等・平和」な状態です。ルソーはまた、文明社会を批判したことでも有名です。その批判の背景には、「文明の発達社会が不平等を招いた」と考えていたことがあげられます。

そして、この不平等を克服するには、一人ひとりが「公共の福祉」を目指す必要があると考えました。

「公共の福祉」とは、簡単に説明すると、「権利や自由があるとはいえ、相手を傷つけるようなことはやってはいけない」こともあり、権利や自由の衝突が発生したら、それぞれの権利が共存できるよう調節する原理です。

そのため、公共の福祉を実現するには、「関節民主主義(選挙などで代表者を選んで任せる)」ではなく、「直接民主主義(人民が直接参加して意見を主張する)」にすべきだ、とルソーは説きました。

ルソーの『社会契約論』とその中で説かれる近代的な「社会契約説」は、冒頭でも述べたように、フランス革命、フランス人権宣言などの歴史的なムーブメントに大きな影響を与えました。

社会契約説ができた背景と影響

長い間、西洋諸国では国家による絶対主義の政治が行われてきました。この絶対主義や支配者の正当性を支えていたのが「王権神授説」です。王権神授説とは、国王の権力は神から与えられたものであり、反抗は許されないとする理念です。

社会契約論は、この王権神授説への批判として生まれした。市民階層の台頭により、王権神授説による絶対主義は、自由と平等を抑圧すると考え、否定されたからです。

社会契約論は、近代社会全般に大きな影響を与えました。近代的な社会契約説により、王権神授説は消滅したと言えるでしょう。特に、ルソーの唱えた「人民主権」や「公共の福祉」は、フランス革命の指導者たちにも影響を与えました。

もし、社会契約論が違う方向性を持っていたら、今とは違った世界になっていたかもしれません。

まとめ

・社会契約説は、「私たちのこの社会は、どうやって生まれたのか」を考える思想、政治哲学の一つで重要になる人物は、トーマス・ホッブズ、ジョン・ロック、ジャン=ジャック・ルソーの3人。

・社会契約論は、自然権や自由主義、人民主権、公共の福祉などの新たな考え方や理念を派生させた。

・ルソーが執筆した『社会契約論』は、フランス革命やフランス人権宣言などの歴史的なムーブメントに大きな影響を与えた。

・社会契約論は、現代でも政治哲学などの学問領域で語られ、近代社会の基盤となっている。

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