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世界史

なんで泥沼の内戦になってしまったの?シリア内戦についてその原因から現在までわかりやすく解説!

2020年5月26日

21世紀になっても世界各国で内乱や内戦が絶えません。内乱や内戦は、様々な問題を抱える原因となってしまいます。

その中でも、シリアでは国内で起きた内戦によって、危機的な状況に陥ってしまっています。あまりの規模の大きさから、シリアでの内戦は、21世紀最大の人道危機とも呼ばれています。そもそも、シリアの問題はどのようにして起きたのでしょうか。そこにはまさに悲劇と言えるような展開が裏にあるのです。

今回は、シリア問題の起こりや問題の過程等について解説します。

シリア内戦の始まり

アフリカ大陸: ジャスミン革命は何をもたらしたか

シリアの内戦の起こりは、2010年のこと。中東にあるチュニジアで起きた「ジャスミン革命」が発端です。

ジャスミン革命は、独裁政権に不満を持った民衆による民主化運動のこと。チュニジアでは23年間という長い間独裁政権を敷いており、それによって民衆の不満が高まっていました。特に当時のチュニジアでは失業率の高さが問題となっており、若年層の失業率の高さは約30%と、社会問題にもなっていました。

民衆の不満が高鳴る中で2010年、こうした独裁政権への対抗として、一人の青年が焼身自殺をしました。

これがきっかけとなり、チュニジアでは大規模なデモへと発展することに。その理由は、イスラム圏では自殺を禁じているから。イスラム国家であるチュニジアで禁じられている自殺をしてまで、青年は独裁政権への抵抗の意思を示したのです。これに民衆が立ち上がり、大規模なデモへと発展していきました。この結果、当時の大統領は国外追放に追いやられました。

大統領が追放されたチュニジアでは、2010年後半になると、ようやく民主化の流れが進みます。具体的には国会議員選挙の実施や、大統領の選出等が行われるようになりました。

この動きが中東全域に流れる一連の出来事を、「アラブの春」と呼びます。

シリアの民主化運動

同じ中東のシリアでも、アラブの春が訪れることになります。主導したのは、アサド大統領によって弾圧されていたスンニ派の人たち。当時のシリアでは人権問題が社会問題となっており、アサド大統領の独裁によって人権はないも同然の状態でした。

特にスンニ派の人々はアサド政権から差別されていましたが、これはシーア派に属していたアサド大統領が独裁の権力を使い、宗教的な違いがあるスンニ派を弾圧していたのです。

スンニ派の人たちがアラブの春に呼応し、反政府デモを展開します。しかし、ここからシリアの情勢は激化することになってしまいます。

始めはただの反政府デモでしたが、彼らは徐々に武装蜂起を始めます。こうした武装蜂起によって反政府陣営はやがて、「自由シリア軍」を立ち上げてしまいました。

こうして民主化運動は内戦に発展していったのです。これにより、政府軍と反政府軍という対立関係に発展。この時、政府軍にはロシアやイラン等が介入し、反政府軍にはアメリカが介入してしまいます。

途中でイスラム国が介入し、三つ巴の戦いに発展しまいました。しかし、イスラム国は集中放火を浴び、やがて崩壊。再び政府軍と反政府軍の戦いになります。

しかし、徐々にロシアとアメリカの代理戦争に発展してしまいます。つまりシリアの内戦は、初めはただの民主化デモだったものが、ついに代理戦争にまで発展したということになります。こうなると、シリア国内は泥沼化の様相を呈すことに。空爆や化学兵器の使用等で、国内は荒れに荒れることになります。

2018年にアメリカ軍は撤退しましたが現在も内戦は続いています。この理由は、アメリカが反政府軍の支援を行っているため。

アメリカが間接的に介入しているため、代理戦争は終わっていないのです。また、トルコやクルド人勢力もこれに加わってしまったため、余計に終わりが見えなくなってしまいました。

シリア内戦と国民

シリア内線の今の状況

本来であれば国内だけで決着がつくはずが、様々な思惑を持った諸国の介入によって、解決が難しい問題へと変わってしまったのです。

この内戦はシリア情勢を混乱させ、特に経済や国民に甚大な被害を与えました。

現在のシリア国内では戦争で物資が枯渇し、物価が高騰し、国民は飢えを凌ぐ毎日を送っています。また、非常に多くの難民を生み出してしまい、2017年には660万人以上の国民が海外へと避難しています。

避難先で働くためには難民の認定が必要となりますが、避難先で認定を貰えない人も多数。そのため、生活に困窮する難民が後を絶たず、いかにシリアの情勢が劣悪かがわかります。

このようにシリアの内戦は数々の問題を抱えていますが、現在は国連や非営利団体による支援が行われています。例えば食糧や教育、医療等様々な支援が行われています。

しかし、シリアの内戦が完全に終結しない限り、国民の生活は元には戻ることはありません。シリアの内戦の背景には宗教的な価値観の相違や、民主化の動き、その思惑に乗る諸国の介入と、非常に複雑な要因が重なってしまっています。

一刻も早い終結を願いますが、現在の状況を見ると、解決はまだほど遠いと言わざるを得ないでしょう。

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