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豆知識

常任理事国とはなんのこと?作られた経緯から問題点までわかりやすく解説!

2020年5月28日

日頃、国際ニュースで「常任理事国」というワードよく目にします。国際連合、略して国連に関係していることはわかっていますが、歴史や作られた経緯はよく分かっていない方が多いのではないでしょうか?そこで今回は常任理事国について解説していきたいと思います。

そもそも常任理事国とは何なのか?

まず常任理事国を説明する前に国際連合と安全保障理事会について説明しなければなりません。

国際連合(略称:国連)とは第二次世界大戦の終戦後、戦争前に存在していた国際機関である国際連盟が戦争を防ぐことができなかった反省を踏まえ1945年10月24日に51ヵ国の加盟国で設立された新たな国際機関です。現在は加盟国が196か国の大きな世界機関です。

その国際連合に設置された主要機関が安全保障理事会と呼ばれる機関です。安全保障理事会は、国連におけるもっとも権限の強い機関で法的に国際連合加盟国を拘束することができ、事実上の最高意思決定機関とされるものです。

安全保障理事会の構成は、常任理事国5か国と非常任理事国10か国の計15か国で構成されており、非常任理事国は国連加盟国の選挙によって選出されますが、常任理事国5か国については安全保障理事会において恒久的な権限を持っています。

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なぜ常任理事国は5か国なのか?

現在の常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中華人民共和国の5か国で、五大国とも呼ばれます。

この常任理事国は、第二次世界大戦の戦勝国で構成されたもので「戦勝国クラブ」とも呼ばれています。発足当時はアメリカ・イギリス・フランス・ソビエト連邦・中華民国で構成されていましたが、中華民国(現在の台湾)は1971年のアルバニア決議により中華人民共和国に変更され、ソビエト連邦は1991年の解体によりロシア連邦に権限が委譲されています。

常任理事国の権限

国際紛争や世界の危機が出現すると国連において安全保障理事会が開催されます。近年でよくあるのが朝鮮民主主義人民共和国(略称:北朝鮮)による弾道ミサイル発射問題があります。

安全保障理事会では討議を行い、法的拘束力のある国際連合安全保障理事会決議(略称:安保理決議)を発することができます。この決議には安保理理事国15か国中、9か国以上の構成国の賛成が必要となりますが、もう1つ重要な要件があります。それは常任理事国の全会一致です。

逆に言えば安保理決議は、常任理事国の反対が1か国でもあれば決議できなくなるのです。これを大国一致の原則とも呼び、事実上常任理事国には、「拒否権」を与えられていることになります。

各国の拒否権発動数と発動例

国連発足からの各国の拒否権発動回数は以下の通りです。

ポイント

アメリカ: 83回

イギリス: 32回

フランス: 18回

ロシア : 127回(ソビエト連邦時代120回、ロシア時代7回)

中国  : 10回(中華民国時代1回、中華人民共和国時代9回)

アメリカとロシアが突出して多いですが、これは第二次世界大戦後の自由主義国家と共産主義国家の対立である米ソ冷戦の影響によるものです。

米ソ冷戦終結後は、アメリカによるイスラエル擁護のためのパレスチナ問題における決議の拒否権発動が多くなっています。

イギリスとフランスは1956年に起こったスエズ危機及び第二次中東戦争における決議に関して拒否権発動の歴史があります。

中国に関しては他の国家に比べると最近までは拒否権発動に慎重な姿勢が目立ち回数も多くありません。

ちなみに最近の拒否権発動例ですが、2017年に中東にある国家シリアが反政府組織に化学兵器を使用して攻撃を行ったことに対する非難決議を出そうとしたのですが、ロシアが拒否権を発動、中国が棄権を行い否決されました。

常任理事国の問題点と今後

前述しましたが、米ソ冷戦時代には多くの国際紛争が米ソ代理戦争の様相が多く両国が拒否権発動を連発し国際政治が停滞し、紛争の長期化・冷戦の長期化を招いたと言われています。

ソ連が解体され米ソ冷戦は終結しましたが、最近はロシアに変わって中国が経済的にも政治的にも台頭してきて米中冷戦や新冷戦と呼ばれる情勢になってきています。そのため中国とロシアが連携して拒否権を度々行使するという事例が発生しています。

また前述した北朝鮮の弾道ミサイル問題では、決議に制裁の条項を入れようとしたところ中国とロシアが拒否権発動をチラつかせ、結局アメリカが妥協し制裁の言及が省かれ決議された例もあります。

このように国際紛争や国際問題に常任理事国の利害が関係していると拒否権が発動され、結果問題が放置され危険の増大さらには戦争による人命の危機が発生します。この問題を解決しようと「安保理改革」と称して安全保障理事会の在り方を改革しようという機運も常任理事国の以外の国から起こりましたが、今のところ変革の兆しはありません。日本も過去には常任理事国入りを目指した時期もありましたが、これも実現するめどは立っていません。

また、現在新型コロナウイルス(COVID-19)の全世界蔓延により発生国である中国とその他の国との対立が先鋭化されると予想されます。実際に武漢への独立調査団の派遣の要求や、各国の経済的損失の賠償要求の動きも発生しています。この対立の結果、関係国間の武力紛争が起きる可能性が否定できません。本当はこのような対立を回避するために安全保障理事会が存在するのですが、近年のロシアと中国の連携により拒否権が発動され安全保障理事会が機能しない可能性があります。

これでは、安全保障理事会の機能不全が起こり、もっと大きなことを言えば本来の国連存立の意味すら無くなることになりかねません。

果たして常任理事国はどのような形で世界を動かしていくのか?今後も注目です。

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