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アメリカ大統領選挙ってどんな仕組み?の仕組みとスケジュールをわかりやすく解説!

2020年6月6日

2020年のビッグイベントとして挙げられるアメリカ大統領選挙が11月3日と半年先に迫ってきました。

現職のアメリカ大統領といえば過激な発言でも有名なドナルド・トランプです。政治にあまり関心のない方でも、4年前の大統領選挙で「アメリカとメキシコの国境に壁を作る」発言や、アイスバケツチャレンジをして世間を賑わせたニュースを覚えている方もいると思います。

日本でもニュースでトランプ大統領の顔を見ない日はほとんどありませんね。

こんなアメリカ大統領ですが、実際の大統領の仕事や立場、選挙における決定方法など、どれも日本人には馴染みがなくわかりにくいと思います。

アメリカ国内のみならず世界中で注目を集める大統領選挙。今回はアメリカ大統領選挙のポイントや日本人には分かりにくい選挙の仕組みについて、簡単に説明をさせていただきます。

まるでスポーツ!エンターテインメントのようなアメリカ大統領選挙

なぜアメリカ大統領選挙がこれほどヒートアップするのか?

それは大統領決定戦、つまるところ優勝決定戦が候補者二人による1対1のタイマンで決まるからです。

この候補者とは民主党と共和党の代表者一人ずつですが、国のトップを決める選挙がタイマンでの票争いとなるからには国民も大盛り上がりです。

テレビ討論ではお互いが罵り合い、あの手この手で国民の関心を得るためにパフォーマンスをします。当然、ニュースでもスポーツ観戦のようにエキサイトした民衆が映し出され、演説はまるでショーのように派手な盛り上がりを見せます。

戦いは1年前から始まっている!アメリカ大統領選挙のまでの流れ

大統領選挙の戦いは約1年前の候補者争いからスタートします。

ポイント

各党の代表者候補を決める党員集会と予備選挙(2~6月)

予備選挙を受けて各党の大統領、副大統領候補が決定する全国党大会(7~8月)

各党の代表がテレビ討論や全国で演説を行う選挙戦(9~10月)

一般有権者による大統領選挙(11月3日)

大統領・副大統領就任式(2021年1月20日)

 

今回の戦いでは、共和党については現職のドナルド・トランプで決まっているため、民主党のみが大統領候補者争いを行いました。

スーパーチューズデーと呼ばれる日は皆さんも耳にされたことがあるかもしれません。これは党内における候補者争いの山場の日を指します。そしてそこで勝ち上がったのがジョー・バイデンです。

正式にはこの後に行われる全国党大会でジョー・バイデンと副大統領候補が決定しますが、対抗馬とされていたバーニー・サンダースが撤退を表明しているため、事実上の代表者決定となっています。

予備選挙と全国党大会

それでは、まず前半戦の予備選挙と全国党大会について少し詳しく見てみましょう。

予備選挙と党員集会

予備選挙は政党内の選挙であるため、原則的に党員でなければ投票できません。しかし、アメリカ国籍を持つ18歳以上の人は選挙人登録をすればにわか党員のようなものになり投票することができます。

党員の数は2004年現在で、民主党が約7200万人、共和党が約5500万人、その他が約4200万人となっています。大変おおざっぱにみて1/3ずつといったところです。

前に代議員を選ぶのは予備選挙だと書いてきましたが、実は話し合いによる選出もあります。それが党員集会です。

民主党は予備選挙で代議員を選ぶが、一方の共和党は党員集会で話し合いによって代議員を選出する州もあります。このあたりも昔の名残と言えるでしょう。

代議員の選出の比例代表方式と勝者総取り方式

予備選挙の目的は州ごとに代議員を選出することにあります。代議員の数はその都度見直しが行われ、2020年の民主党の場合予備選挙で選ばれる代議員総数は3,979人です。

一般に大きな州ほど代議員の数は多く割り当てられます。大票田と言われるカリフォルニア州では最大の415人が選出されます

さて、ここで少しややこしい話をしなければなりません。予備選挙には州ごとに集計した票数に応じて代議員の数を割り当てる比例代表方式制と、1票でも多く獲得した候補がその州のすべての代議員を獲得する勝者総取り方式があります。

民主党は比例代表方式を採用していますが、共和党は両方式や党員集会が混在しています。

ところで、メディアで「スーパーチューズデー」という言葉をよく目にします。もっとも多くの予備選挙や党員集会が行われる火曜日を差します。2020年のスーパーチューズデーは3月3日火曜日です。

民主党の場合、全米で3,979人の代議員のうち1,357人の代議員がこの日に決まります。

ここで勢いに乗るか、遅れるかでその後の行方が左右される重要な局面だと言われています。

一方、2020年の共和党は現職のトランプ大統領が立候補し、有力な対立候補がいません。そのため、予備選挙や党員集会は行われなかったり、行われても形式的になったりという状況です。

全国党大会で大統領候補を指名

非政権党は7月に全国党大会を開催し大統領候補の指名選挙を行います。政権党は8月に行いますが、現職の大統領が指名されるのが通例です。ただし、アメリカの大統領は連続2期までしかできません。

全国党大会で過半数の代議員数を獲得した人がその党の大統領候補として指名されることは前に書きました。

2020年の民主党の代議員数は、予備選挙で選ばれる一般代議員3,979人と予備選挙を経ずに党役職などから選ばれる特別代議員775人の合計です。大統領候補の指名を受けるにはこの合計の過半数を獲得する必要があります。

一方、政権党である共和党は8月の全国党大会で大統領候補を指名します。2020年の共和党の場合は、まだ1期しか務めていない現職のトランプ大統領が指名されるのは確実です。

本選挙

アメリカの大統領選挙のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

ここまでで両政党の大統領候補は決まりましたので、ここからはどちらを大統領に選ぶかという選挙になります。

選挙人ってなに?各州ごとに候補者を投票する選挙人制度

アメリカ選挙人団 - Wikipedia選挙人の数 一番多いのはカリフォルニア州で55人

さて、共和党ドナルド・トランプと民主党ジョー・バイデンと役者も出揃ったアメリカ大統領選挙の勝利条件ですが、アメリカ全土で538人いる選挙人の過半数270人を獲得することで決まります。そして、アメリカ大統領選挙が日本人に分かりにくくなっている点にこの選挙人制度が挙げられます。

選挙人制度とは、一般有権者が候補者を直接投票する直接選挙とは異なり、選挙人を通じて候補者を選ぶ間接選挙制度のことです。

この538人の選挙人は、アメリカにある50の州にそれぞれ人口に応じて割り振られており、カリフォルニア州は55人、フロリダ州やニューヨーク州は29人、アラスカ州やワイオミング州は3人などのばらつきがあります。

そしてこの選挙人は事前にどの候補者に投票するかを表明しており、有権者はこの選挙人に投票することで候補者を選ぶことになります。

勝者総取りで決まる!州の選挙人と大統領選挙のルール

しかし、この選挙人制度をさらに分かりにくくする最大のポイントがあります。それは選挙人がそれぞれ候補者を投票するのではなく、選挙人の過半数をとった候補者に対して州として投票する点にあります。(ただしネブラスカ州とメーン州は除く)

例えば、カリフォルニア州には55人の選挙人がいますが、選挙の結果23人がA党、22人がB党と選挙人の票が割れた場合でも、カリフォルニア州として55人の選挙人の票が全てA党として投票されます。つまり、勝利した候補者は州ごとに選挙人の票数を総取りにします。

そして、この選挙人制度によって選挙人獲得数と得票数が逆転するケースもあるのです。

例えば、

カリフォルニア州が選挙人55人、得票数3,951万票 →A党

フロリダ州が選挙人29人、得票数2,148万票    →B党

ニューヨーク州が選挙人29人、得票数1,945万票  →B党

アラスカ州が選挙人3人、得票数73万票      →A党

ワイオミング州が選挙人3人、得票数58万票    →A党

という結果の場合、

メモ

A党は選挙人61人、得票数4,082万票 勝利

B党は選挙人58人、得票数4,093万票

となり、選挙人の獲得数でA党の勝利となりますが、得票数ではB党が勝ることがあります。

※人口と一般有権者の人数はイコールではないため、あくまでたとえ話です

実際、2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した時は、このような逆転現象が起きました。

メモ

 共和党 ドナルド・トランプ  選挙人306人 得票数6,298万票 勝利

 民主党 ヒラリー・クリントン 選挙人232人 得票数6,585万票

従って、選挙人の多い「注目」州を押えることができれば当選の可能性は高くなります。そして、アメリカ大統領選挙では「オハイオ州を制するものは全米を制する」と言われるほど、オハイオ州における勝敗が大きく左右すると言われています。

11月3日の投開票日では、これらの注目州を注意して見るのもいいかもしれませんね。

ココがポイント

得票数が勝っていても大統領になれるとは限らない

 

なぜ選挙人制度?直接投票をしないアメリカの歴史

少し余談になりますが、そもそもなぜ、アメリカではこのような選挙人制度を用いているのでしょうか?それはアメリカ合衆国という国の成り立ちに由来します。

アメリカ合衆国という国は、もともとイギリスの植民地として13州に分かれて統治されていました。この13州が連帯をして1776年にイギリスから独立をしたのが始まりです。そしてこの州とは、日本の都道府県というよりもそれぞれが国家に近い形式をとっていました。今でも州によって州法が制定され、死刑の有無や税率の違いなど、同じ国とは思えないほどの違いが州にはあります。そのため、United(連合) States(国・州)と国名に名づけられているのです。

それぞれの州がそれほどに独立性をもっているため、州の代表として選挙人から一人の候補者が選ばれるのがアメリカ大統領選挙の流れとなっています。

また、選挙がはじめられた頃の有権者の識字率の低さ、アメリカの国土の広さによる情報伝達の時間差などにより、選挙人を通じた間接選挙という方法が採用され現在に至ります。

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選挙人って裏切らないの?

上にも書いた通り、大統領は基本的には大統領選挙人によって決められます。一応、選挙人は共和党の候補か民主党の候補かのどちらかに投票するのかは決めているのですが、そうすると裏切り行為が起こりそうなものですよね?大丈夫なんでしょうか?

実は宣誓破りは稀にあるそうですが、勝者総取り方式ですからどれだけ頑張っても州の状況で大差にはなっているので例え接戦だったとしても獲得選挙人の数には大きな差がつくのが通常です。そのため過半数が裏切らなかったら基本的にはそのまま決まるそうです。

 

アメリカ大統領はどれくらい偉いのか?

これほどに独立性の高い州の集まりであるアメリカ合衆国では、そのトップである大統領の権限も他の国と異なります。

通常、王国の場合は国王、共和国の場合は大統領が国家元首として国の顔役となります(日本では天皇が国民の象徴とされています)。そして、行政の長として首相が置かれています。

そして国によって国王、大統領、首相が外交で目立ったりするため、その立ち位置は少しずつ異なります。

しかしアメリカでは、国家元首としての大統領と行政の長としての首相が合体しています。そのためその権力は絶大であり、極端な例えとしては、日本の天皇と首相が兼任されている状態と言えます。

そのため、このアメリカ大統領の権限が強くなりすぎないように、大統領と連邦議会でその権力が上手く分けられています。

アメリカ大統領を知ると同時に、他の国々の国家元首や行政の成り立ちも知ることができると、外交ニュースなどが違った目線で見ることができますね。

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アメリカには政党は二つだけ?民主党と共和党の違い

さて、アメリカ大統領選挙について説明をしてきましたが、そもそもアメリカには民主党と共和党の二つの政党しかないのでしょうか?

結論を言えば、アメリカには小さな政党はありますが大統領選挙を戦い抜けるほどの大きな政党は二党しかないため、実質、二大政党制となっています。

この二つの政党も特色が昔に比べて分かりにくくはなっていますが、一般的には下記のような特徴と支持層から支持をされています。

ポイント

民主党:大きな政府を目指すリベラル派、社会福祉と平等を主軸とし支持層は貧困層の黒人・ヒスパニック、アジア系

共和党:小さな政府を目指す保守派、経済を優先し支持層はWASPと呼ばれる裕福な白人系

しかしながら、近年では移民問題などにより白人が必ずしも裕福ではなくなってしまいました。そのため、ドナルド・トランプは安い労働力であるメキシコからの移民を排斥し、白人の雇用を守り、経済を強くし、偉大なアメリカの復活という言葉で2016年の大統領選挙を勝利したのです。

ココがポイント

民主党はリベラル。共和党は保守の傾向が強い

2020年の大統領選は、結局どっちが勝つの?

2020年11月3日の試合のカードはすでに決まっています。

肝心の下馬評ですが、アメリカ大統領の任期は1期4年で2期8年まで。2期目を狙うトランプ大統領は一般的には現職有利とされます。しかし、現在も世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響は間違いなく大きな争点となるでしょう。

そして2018年に行われた中間選挙では下院の過半数を民主党に獲得され、政権運営としてはねじれ状態を起こしています。この中間選挙は、任期中の大統領の一つの評価を表すものであるため、ドナルド・トランプが決して有利とは言えない点としても注目です

とはいえ、リベラル派の民主党ジョー・バイデンでは、このコロナ禍の舵取りや香港の問題などで揉めている中国と渡り合っていけるのかという不安も残ります。

世界情勢はますます混沌とし予断を許さない点が多いことを考えると、日本の安倍政権が順調な関係を構築しているドナルド・トランプ大統領にもう1期続けてもらう方が、日本としても良いのではないかと筆者は考えます。そのような意味で、期待値を込めて共和党のドナルド・トランプが有利ではないかと思われます。

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