スポンサーリンク

ニュース 政治用語 日本史 豆知識

郵政民営化ってどうして行ったの?経緯から問題点についてわかりやすく解説!

みなさんは、郵政民営化についてご存知でしょうか?

今でこそ、日本郵便グループとして存在している郵便局ですが、昔は国が運営する企業だったのです。
この記事では、知っているようで知らない郵政民営化について、解説していきたいと思います。

郵政民営化とは何か?

郵政民営化とは日本政府が1990年代末から2000年代にかけておこなった郵政三事業(郵便・簡易保険・郵便貯金)を民営化することを目的とした政策です。
今まで国家事業であった郵政三事業というものがあります。

ポイント

・郵便業務
・郵便貯金
・簡易保険

小泉純一郎はこの郵政三事業を民営化しようと2005年に郵政民営化の賛否を国民に問うとして衆議院を解散(郵政解散)。自民党が大勝したことによって郵政民営化法が成立し、2007年10月1日に日本郵政グループ発足しました。
過去、NTTやJRなども国営事業を民営化してきましたが、それらと比べても、過去最大規模の民営化といえます。

誰が行ったのか?

登壇する小泉純一郎

郵政民営化を行ったのは第87代内閣総理大臣の小泉純一郎です。のちに、第一次小泉内閣と呼ばれる時期の政策でした。
「構造改革なくして景気回復なし」をスローガンに特殊法人を民営化させて、国と地方と民の三位一体の改革を目指しました。
小さな政府を目指したのも特徴といえます。
これらと郵政民営化をあわせ、聖域なき構造改革という言葉のもとに、数々の改革をもたらしました。
ときには変人と揶揄される小泉純一郎ですが、当時の支持率は戦後の内閣としては歴代1位の数字となり、読売新聞社調べでは87.1%もの支持率を記録しました。

なぜ、行ったのか?

郵政民営化は、なぜ行われたのか?
郵政事業は350兆円という、とても巨大な資金で動いています。その資金を国に貸し付け、その資本が特定法人に流れる、といった流れが当時問題となっていました。
「構造改革なくして景気回復なし」と掲げていた小泉内閣は、特殊法人を民営化させると同時に、この資金の流れを変えさせて民間の市場に向けさせなければ景気回復にはならない。
さらに、民営化させて国家公務員の数を減らす。そういった理由で、郵政民営化に踏み切ったと言われています。
しかし、これらは表向きの理由ではないか、と言われています。
では、本当の理由とは、何なのでしょうか?

本当の理由とは

外交的理由

郵政民営化に踏み切った本当の理由とは、なんだったのでしょうか。
当時、アフラックなどの外資系の保険会社が日本にどんどん進出していた時期でした。
当時のアメリカ・ブッシュ大統領は毎年のように郵政民営化の進捗を確認していたといいます。
ちなみに現在、日本郵政はアフラックの持株会社であるアフラック・インコーポレイテッドに2700億円を投資して子会社化しています。このように、外交的な理由というのがひとつ。
そして、もうひとつが小泉純一郎の私憤と言われています。

小泉首相の私憤

小泉純一郎の私憤、とは一体どういう意味なのか?
時の総理、小泉純一郎の祖父、小泉又次郎は横浜に数多くの特定郵便局を開局させ、逓信大臣も勤め上げるなどの、いわば元祖郵便族議員でした。
その息子、小泉純一郎の父である小泉純也も政治家として活動していたのですが、1969年に急死。
その年、長男だった小泉純一郎が留学先のロンドンより帰国し、弔い合戦と銘打って出馬しましたが、落選となります。
落選した理由として挙げられているのが、応援してくれるとされていた当時の特定郵便局の局長達の2割が造反した、というもの。
その4年後、小泉純一郎はようやく選挙に当選。はれて国会議員となります。
郵政大臣に着任したのですが、就任会見のときに、郵政省が推し進めていた高齢者マル優限度額引き上げ法案を差し止めると発言します。
これがきっかけになり、小泉純一郎議員と郵政省の官僚たちの関係が悪化。
国会の答弁でのサポートも受けられないなどの嫌がらせも受けることもあり、郵政族への恨みが積もっていったのではないかと言われています。
その私憤、それこそが郵政民営化の本当の理由なのではないか、と言われています。

郵政民営化とは、具体的に何を行ったのか?

今まで、郵政三事業と呼ばれていた、郵便貯金、郵便、簡易保険というものがありました。
それを分割し、5つの組織に分けたのです。

ポイント

・日本郵政株式会社、(持株会社であり、親会社になります。)
・株式会社ゆうちょ銀行
・日本郵便株式会社、(これは郵便事業、そして郵便局の運営を行います。)
・株式会社かんぽ生命保険
・独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構

この5つの組織です。
ちなみに、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構は、通常郵便貯金を除いた郵便貯金契約と、簡易生命保険契約を継承、管理する会社になります。

2015年に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険がIPOで東京証券取引所の第一部に上場しました。
日本郵政は、当時の売り出し価格が1400円、ゆうちょ銀行が1450円、かんぽ生命保険は2200で抽選販売されました。ちなみに、現在の各社の価格は、日本郵政が784円、ゆうちょ銀行が851円、そしてかんぽ生命保険が1676円となっています。

世界の郵政民営化について

この郵政民営化という政策は、世界各地で行われています。そして、ことごとく失敗している政策でもあります。
有名なのが、1989年に郵政民営化を決定したドイツの例です。ドイツポスト、ドイツテレコム、ドイツバンクの3社に分割されました。
その結果、ドイツ国内に2万9千あった郵便局は、2003年末に1万3千まで減りました。
多くの過疎地区では郵便局が廃止され、郵便を出すために遠くまで出かける必要になり、配達回数も激減しました。

何が、郵政民営化の問題点なのか?

ユニバーサルサービスの低下

郵政民営化の問題点として、2つの問題点が指摘されています。
1つ目の問題点は、ユニバーサルサービスの低下。
これは、料金固定化の廃止、と言い換えることも出来ます。ユニバーサルサービスの低下とは、都会でも過疎地区でも、同一のサービスが受けられなくなるといったものです。
効率化を目指してコストの掛かる過疎地区のサービスを見直すと、インフラにムラができる、ということです。
社会的インフラは、守られることが前提であり、郵便サービスもその一環である、といった内容の問題点になります。

市場が競争しなくなることへの懸念

そして2つ目は、市場が競争しなくなることへの懸念です。
市場というものは、企業がお互い競争することにより進化・発展し、消費者により良いサービスが届けられるといった形で進化していくものです。
そして、元・郵政グループの各社は、他社と比べ物にならないほどの規模をもった企業となります。
なので、他社と競争する必要もなく、サービス、事業を見直す必要がないのではないかと言われています。
そこで問題なのが、その巨大資本と手を組む会社が出てくることです。その会社は、巨大な提携を手に入れたことになり、他社と競争する必要がなくなります。そして、その会社とはまた別の会社も、今度は別の事業で提携したとします。
どんどん、会社同士の競争がなくなり、談合し、そして業務の改善が行われなくなります。その結果、顧客へのサービスの低下につながるのです。

解決策は無いのか?

ユニバーサルサービスの解決策

ユニバーサルサービスの低下については、料金の固定化が必要なのではないでしょうか。
都市部でも、過疎地区でも、同じ料金で同じサービスが受けられる。過疎地区で多くかかるコストを、全部の地域で分担して受け持つ、というものです。

企業間の競争力の低下について

元郵政グループの各社を、地方によって分社化するとよい、と言われています。
同じ会社どうし、地方に分けて競わせる、といったものです。
例えば、NTTは東日本や西日本に分けられていますし、JRも北海道や東海などに分けられています。同じように、郵便関連の会社においても、サービスで分けるのではなく、
地方で分けることが解決につながると言われています。
これにより、1つの業種で大きな巨人を作ることを防ぐことが出来、郵便事業どうしでも競わせることが出来ます。より良い競争社会を作り上げることができるといったものです。

まとめ

郵政民営化は、不明瞭な資金の流れを止め、膨大な資金を民間市場に流すことによって経済の回復を狙ったものでした。そして、当時の内閣総理大臣の思惑が重なり、実現されたものです。
しかし、世界中で失敗している政策でもあり、日本においても数々の問題点が指摘されています。
今日にいたっても、いまだ解決策がとられることがないのが現状といえるでしょう。

スポンサーリンク

こちらもおすすめ!

1

ニュースや新聞で世界情勢の話題になったとき、「国際連合」というワードを聞いたことはありませんか?最近でいうと昨年、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが各国首脳の前でスピーチして話題になりました。中学 ...

2

1914年から1918年にかけてヨーロッパでは第一次世界大戦が繰り広げられていました。 そしてこの戦争はヨーロッパの体制を根本から崩すこととなり、現在にもつながる影響も残すことになったのです。  今回 ...

3

世界の政治体制は、それぞれの国によって違っています。同じ民主主義国家でも、国によって大統領制をとっている国、議員内閣制の国と、政治体制の採用が違っているのです。 日本は、御存じの通り、議院内閣制を採用 ...

-ニュース, 政治用語, 日本史, 豆知識
-, ,

© 2021 レキシデセカイ Powered by AFFINGER5