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北朝鮮って何が問題なの?今話題の北朝鮮問題と日本の関係についてわかりやすく解説!

2020年5月25日

「テポドン」「飛翔体」「Jアラート」「6ヵ国協議」「拉致被害者」等々、21世紀に入り、北朝鮮をめぐるニュースが日常的なものになって久しくなります。しかし、これらの言葉は、北朝鮮国内外の激しい情勢の変化に伴い、忘れさられたり、他人事のように語られつつあります。そんな北朝鮮問題とは何なのか?どのような背景があって解決できないままにあるのか?今一度、考えてみることにしましょう。

北朝鮮問題って?

北朝鮮問題とは、一般的にいえば、北朝鮮による核兵器の開発およびその保有に伴い、アメリカやその他アジア周辺国との間に起こる問題と日本人の拉致問題のことを指します。問題の根っことしてあげられるのが、1950年に大韓民国(以下、韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)との間で生じた国際紛争「朝鮮戦争」です。

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同じ民族が殺しあわなければならない凄惨を極めたこの戦争は、未だに「終戦」として決着しているわけではなく「休戦」という状態に置かれたままです。韓国に行った人は気づかれたと思います。北緯38度線に近い韓国の首都ソウルで見かける兵士の姿にこのことが端的にあらわれています。北朝鮮問題は、この東西冷戦の代理戦争から生まれた悲劇であり、当事国を含め、関わった各国の利害が複雑に衝突することから起こる問題と考えることができます。

核開発問題とは?

2012年、北朝鮮の重要な核施設である寧邊(ヨンビョン)核施設から50kgの武器用プルトニウムを抽出しているとの報告が公表されています。その時の第1次核実験でプルトニウムを2~4kg、第2~3次の核実験で6~8kg、9~12kgを使用したことから、推定、核兵器6~7個分の核開発能力があると分析されました。現在、北朝鮮の核開発能力はさらに向上し、大陸間弾道ミサイル技術を完成させていると見られ、さらにこれに搭載する核弾頭の軽量化・小型化は極めて高い水準に達していると言われています。

  こうした北朝鮮の核開発の背景として、ソ連との関係を抜きにして考えることはできません。そもそも北朝鮮政権の正統性はソ連に依存しながら様々な支援を受けて成り立ってきました。しかし、当時のソ連書記長スターリンの死後、対北朝鮮政策の変化により、ソ連からの核開発技術を学ぶ土台が崩れていきす。決定的であったのは社会主義体制の崩壊でした。1989年6月には中国の天安門事件が勃発、同年11月、ドイツのベルリンの壁が崩壊、そして12月には米ソ冷戦が終結します。そして、1991年に社会主義の祖国と呼ばれたソ連は崩壊し始め、東欧圏諸国の激変を迎えます。さらには1992年8月には中国が韓国と国交を樹立します。このような国際情勢の大変動により、ソ連からの核の傘は完全に期待できなくなったことに危機感を感じた北朝鮮指導部は核開発を本格化するのでした。

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   2003年1月10日、韓国・アメリカの軍事的脅威を理由に、核拡散防止条約(NPT)からの脱退を通告します。これを機に北朝鮮は正式に核の保有、その実験計画を行うようになったわけです。韓国はもちろん、日本やアメリカとの関係は、批判の応酬を交えながら、悪化・緊迫化の一途をたどっていきます。国連の制裁決議を無視し度重なる核実験を行い、ミサイルを発射するなど国際社会を挑発しているかのように見える北朝鮮ですが、一体そこにどのような事情や意図があるのでしょうか。

北朝鮮の核開発・保有の背景と意図を国内情勢と国際情勢から見てみることにしましょう。 

 国内情勢から 

 北朝鮮は朝鮮戦争以降、韓国を米国から解放するという戦略を持っています。これを「赤化統一」といいます。つまり、分断されている朝鮮半島を、北朝鮮が主導し、武力による統一を果たすことが国の存在利用となっています。極めて厳しい経済事情にもかかわらず、軍事優先の国家運営を重要視するのはこのためです。現在も、「強盛大国」「先軍政治」政策の下で軍事重視の国家建設が続けられています。また、主体(チュチェ)思想も北朝鮮の独自路線を進む背景にあります。この思想はソ連の最高指導者であったスターリンが死亡した後に行われた金日成の演説の中で使われた言葉で、後の北朝鮮及び朝鮮労働党の政治思想として浸透します。「思想の主体」「政治における自主」「経済における自立」「国防における自衛」という四つの柱からなる主体思想は今日の北朝鮮政治・経済・文化の基盤であるといわれています。当然のことながら、金一族による体制が世襲化されているのですからこの基盤は崩れようがありませんし、この思想の純潔さを守るがゆえに自己変革ができないジレンマを抱えることになります。

  北朝鮮民主主義共和国建国の直後は、社会主義国として「楽園の国」と評されるほど、北朝鮮の経済力は南の韓国を上回っていました。しかし、ご存知のとおり、漢江の奇跡と言われる経済成長を遂げた韓国との国力の差は開くばかりです。このままでは、朝鮮半島統一後の体制維持が困難になることは明らかです。なんとか体制の維持を図りたい。その考えの延長線上に、北朝鮮の核開発・保有を目指す意図があるとことはもはや否定できません。実際、北朝鮮の核開発問題を解決するための6ヵ国協議でも、体制保障を要求しています。具体的には駐韓米軍の縮減、核の傘の撤廃など、対北の威嚇除去措置を要求しながらアメリカとの関係正常化及び経済支援のために核軍縮協議を進めたいことが明らかとなっています。

国際情勢から

北朝鮮が体制維持のために核開発・保有を認めることは、世界唯一の被爆国に住む者として断じて容認できません。核兵器非拡散条約(NPT) は、冷戦期、核兵器の廃絶に関する交渉が進まず、他方で核兵器の新たな取得を模索する国、あるいは核兵器を製造する潜在能力を持つ国が増える中、まずは核兵器の拡散を防止することが核兵器の廃絶につながるとの考えの下、1968 年に成立、1970 年に発効した国際会議です。現在までに 191 カ国が締約国になっており、世界的に最も普遍性が高い軍縮・不拡散条約なのですが、「1967 年1月1日より前に核兵器を保有し、爆発させた国」を「核兵器国」(米国、ロシア、英国、フランス、中国)として保有を認める一方、それ以外の国である「非核兵器国」には核兵器の取得を禁止し(第1~ 2 条)、非核兵器国の原子力活動に対しては IAEA による保障措置(査察や検証)の実施を義務づけています。(第3条)。 すなわち、核兵器を保有してよい国とよくない国に異なる義務を課すという不平等条約なのです。NPT では、そうした不平等性を緩和するために、核兵器国には核軍縮を誠実に交渉することを義務付け(第6条)、また非核兵器国を含む締約国には原子力の平和利用を「奪い得ない権利」として認めています(第4条)。ですから、北朝鮮にしてみれば、兵器を開発・保有している国から「やめろ」と言われても説得力の持ちようがありません。アメリカの核脅威が軽減されないのだから核開発の容認は認められるというロジックはこうしてを生まれているのです。

 2018年6月12日、アメリカ大統領トランプと金正恩との首脳会談では、北朝鮮の体制維持と朝鮮半島の非核化を共有することとなったものの、会談後、6ヵ国協議は開催されることはなく、両国のせめぎあいは続いているのです。

拉致問題とは?

 

日本人拉致問題が白日のもとにさらされたのは、1987年に発生した大韓航空機爆破事件の際、北朝鮮工作員金賢姫の証言でした。当初は国会で国交正常化等の議題になった際に懸案として出る程度で、一方の北朝鮮もこの拉致の事実を否定し続けていました。しかし、1997年になり、20年前に拉致された中学生横田めぐみさんに関する実名報道があってから、国会で取り上げられるなど、報道の頻度が爆発的に増えていくと、同年「拉致被害者の救出を求める議員連盟」が発足し、政府は7件10人の拉致被害者を認定しました。そこで2002年9月17日、時の内閣総理大臣小泉純一郎らが訪朝します。日朝首脳会談では、当時の北朝鮮の最高指導者(国防委員長であり、朝鮮労働党中央委員会総書記)である金正日が、北朝鮮の一部の特殊機関の者たちと「現地請負業者」とが共謀して日本人を拉致した事実を認め、謝罪とともに、両国が国交正常化に向けて協議することが決まりました。そのことをもって、5人の拉致被害者とその家族は日本への帰国を果たし、ようやく北朝鮮との国交化交渉が始まるとともに、他の拉致被害者も帰国できると国民の誰しもが思っていましたが、事態は硬直化の一途を辿ることになります。北朝鮮指導部は「日本人拉致事件は解決している」との姿勢を崩さぬまま、また日本政府は「拉致問題の解決なくして国交正常化はない」と両者の主張は平行線のまま現在に至っています。

 拉致問題に対し人道的問題、人権問題として北朝鮮を説得する必要があるわけですが、残念ながら、功を奏していません。2014年2月17日、国連では「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会」報告書で北朝鮮の人権問題を発表しました。この報告書では、北朝鮮による拉致及び人権侵害問題を「北朝鮮政府、最高指令部による 組織的、広汎かつ重大な人権侵害が長期にわたり行われており、現在も進行中だと指摘(人道に対する犯罪)」と指摘してはいます。しかし、そのことが6ヵ国協議で主要な議題とはなりえず、また同じく拉致被害者問題が存在する韓国との連帯・協力が、領土問題、歴史問題などにより進まない状況下にあるのが現状です。

北朝鮮問題は今も続く根深き問題

朝鮮問題の重点である核実験や非核宣言の大まかな流れや北朝鮮の拉致問題を見ていきましたが、北朝鮮は今でも制裁緩和の要求など、北朝鮮は米国と再度対立する姿勢を見せています。同じくアメリカと仲が悪いイランなどその他の諸国との関わりも深くなり、問題はより複雑化していこともあって緊迫した空気が漂っていますが、少しでも収束に進むことを願うばかりです。

 

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