南北格差というワードをみなさんは聞いたことがあるでしょうか。
ほとんどの方が学生時代に社会科の授業で聞いたことがあるのではないのでしょうか。
私も南北格差と聞いてぼんやりとイメージができるだけで、はい説明して!と言われたらできないと思います。
この機会を利用してしっかり知っておきましょう!まず南北格差について説明していきたいと思います。
南北格差とは
南北格差とはいわゆる、先進国と発展途上国の格差のことを差します。
単純に先進国は地図上で見たときに北の方に固まり、発展途上国は南の方に固まっていることから南北格差と言われているのです。
発展途上国とは、生活水準が低く、経済的成長の途上にある国のことを言います。
ただこの発展途上国の中には、非常に貧しい国がある一方で、中国やロシアなど国際的な影響力もあるのです。
ましてやメキシコ、トルコ、韓国などG20などに加盟している国、ブルネイ、シンガポール、UAEなど一人当たりの国内総生産が世界のトップ10に入る国などもふくまれており、今後見直す必要があるかもしれませんね。
この南北の格差の問題という言葉自体は1959年イギリスのロイズ銀行会長だった、オリヴァーフランクス氏が講演をした際に発した言葉です。
さて、なぜ南北格差が生まれたのか、気になりませんか?
そもそもなぜ南北格差が生まれてしまったのか掘り下げてみていきましょう。
南北格差はどうしてなったのか
なぜこの格差が生まれたのか。それは国際分業が大きな要因なのです。その国際分業とは何なのか。
国際分業とは、いわゆる、一つの国で全てをやるわけではなく、色々な国で手分けして効率よく作業をしていこうということなのです。
この背景には、まず1970年代後半からイギリスで起こる産業革命がきっかけとなり、ヨーロッパの経済が急成長。そして、1980年代には日本をはじめとする東アジアの国々を市場に取り込み、世界的に大きく影響を及ぼしました。
これらにより、それぞれの国で安くできるものを多く生産し輸出をし合うことがなされていきます。すなわちこれが国際分業なのです。
農業国、工業国、などに分けて行き、その一環として、ヨーロッパの植民地となっていた地域では、単一の農作物を集中的に生産する、モノカルチャー経済に強制的に移行されて行きました。
当時は今と違って、生産を多くするには労働力が必要でした。
植民地の国が強制的に物を作らされていたとしても、モノカルチャー経済でそれなりの所得は得ていたと考えられます。
なぜなら、2度の世界大戦で荒廃したヨーロッパに比べ、戦場にならなかったアフリカ、南米諸国は、ヨーロッパ国並みの経済的に裕福な国があったかもしれませんね。
しかし、第二次世界大戦後に技術革新がおこり、工業国の生産性が高まると、その需要が一気に激減してしまうのです。
ドイツや日本などの工業国は工業品の輸出で急激に飛躍。またアメリカやフランスなどの農業大国も高い生産性を背景に安い農作物を大量に輸出して発展していきました。
ここで、「え?農業国も発展してる!!」って思う人も多いことでしょう。そうなんです、旧植民地が多いアフリカ、南米も農業国なのです。しかしここの発展した国、してない国には大きな違いがあるのです。
それは、輸出を旧植民地の国々はせず、モノカルチャー経済、すなわち農作物を作ることだけに集中させられていたからです。このようにして、次第に格差が生まれていったのです。
南北格差を解決するには?
南北格差を解決、克服していくには、各国が担う役割があると思います。
各国といっても、やはり重要になってくるのが先進国。先進国がどのような手を施すかによって大きく変わってくると思います。
ここで我が国日本が、担う役割、すべきことについて触れていきたいと思います。
1963年に「UNCTAD(国際連合貿易開発会議)」が南北格差を解決するために設立されました。発展途上国の経済成長率を向上させることを目標とする戦略が練られています。
日本独自に行っているのが、「海外経済協力基金」です。これも国際援助を目的として設立されています。
この海外経済協力基金というのは、発展途上国に対し、開発資金の円滑な供給を行い、海外経済協力を促進する目的として設立しました。
ここで、国際的にもこのような機関が設立されます。「OECD(経済協力開発機構)」「UNIDO(国際連合工業開発機関)」「UNDP(国際連合開発計画)」などです。
これらは日本が作った基金と同じで、資金の貸し付けを行います。
これにより、韓国、台湾、マレーシア、メキシコ、ブラジルなどが工業国として発展するきっかけとなっています。
しかしながら、これはあくまで借金なので、返済に苦しむ国々が出てきてしまいます。
この国々ではハイパーインフレが頻発し、国民の生活を苦境に落とすことになり、より深刻化してしまう国も出てきてしまいます。
しかしながら世界では日本の援助の仕方は褒められているのです。
日本は、魚の取り方を教えると言う言い方に例えられ、一度現地に根づけば継続的に効果的に発揮し続けることができるものと言われているのです。
仮に発展途上国への援助が途絶えたとしても、その国自身で、自立できるのが特徴です。
まとめ
このように南北格差についてみていきました。
先進国が担う役割というのは大きいもので、日本が果たさなければいけないことは大きいなと感じました。
またこれからどう発展途上国に対して接していくのか注目していきたいです。