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経済用語

知っておいて損はない!市場の失敗の原因や解決策を解説!

皆さんは、ニュースなどで「市場の失敗」という言葉を聞いたことがありませんか。
言葉では簡単に理解出来ても、その内容はとても深くて難しいです。
そこで今回は、市場の失敗の原因や解決策を解説していきますので、これを機に皆さんも市場の失敗について参考にしてみてください。

市場の失敗とは?

市場の失敗とは、様々な財・サービスの市場において、需要と供給が等しくなるように価格が調整されるという、「市場のメカニズム」が正常に機能せず、資源の効率的配分が達成されないことを指しています。

大まかに言うと市場の失敗は、「市場のメカニズムが上手く動いていないことで引き起ったこと」です。
市場のメカニズムとは、個々の経済主体がそれぞれ自らの判断に基づいて市場におけいて生産要素や財・サービスを売買し、それによって資源配分と所得分配が行われる経済組織です。

資源配分と所得分配は、「原価」と「利益」と言ったら分かりやすいです。
経済学の基本的規範とされる資源配分の効率と所得分配の公正とを、財の希少性の指標としての市場における価格に委ねるところから、「価格機構」、あるいは「価格メカニズム」と言います。

市場のメカニズムとは?

今説明したことをもっと分かりやすく例えると、ある商品の価格が低い時にはその商品を買いたい人が多くなり、逆に商品の価格が高い時には売りたい人が多くなることから、買いたい人と売りたい人の数が釣り合うところで価格が決定するということです。
新作の家庭用ゲーム機の通常価格が35000円であることを例として挙げてみましょう。

設定した価格よりも1万円低い25000円であるならば、新作のゲーム機としては入手しやすい価格なので、発売当日にはテーマパークの人気アトラクション並みに行列が出来る程、ゲーム機を購入したい人が数多くいますが、価格が低いので売却する人は少ないです。

今度は設定価格よりも1万円高い45000円だと、あまりにも高額なので購入したい人はあまりいませんが、通常価格が高値で設定されていることから、売却するとそれだけ高い価格で取引されるので、売りたい人が多いということになります。

ゲーム機の商品が1万円違うだけでどちらかに偏ってしまうので、買いたい人と売りたい人のバランスが均等に保つように適正な価格を設定している。
これが、市場のメカニズムです。

市場のメカニズムは、売買する商品は政府などが価格や生産量を決めるのではなく、個々が自分の思うように売買を繰り返していけば自然と適切な価格に収束する理論であるとされています。

市場経済において需要と供給のバランスが保てて適切な価格に落ち着くというのが経済学の一般的な学説ですが、現実には価格の自動調節機能が上手く動かず、非効率な分配がなされることがあります。このことを、市場の失敗と呼んでいます。

市場の失敗の原因は?

市場の失敗は、市場のメカニズムが正常に機能しないことで起こるというのが判明しました。
市場のメカニズムが正常に機能するためにはいくつかの前提条件があります。
その前提条件とは

ポイント

1:需要者(売り手)と供給者(買い手)が無数に存在すること。
2:各人がプライステイカー(実質的に価格決定権を持たない供給者)であること。
3:製品の差別化が存在しないこと。
4:各人の持っている情報量が等しいこと。
5:市場への参入や退出が自由に出来ること。

などが挙げられています。

上記で挙げた条件を全て満たす市場を「完全競争市場」と呼んでおり、市場メカニズムは、完全競争市場において正常に機能しています。
しかし、条件が一つでも崩れてしまうと、市場は効率的な分配を実現しなくなり、市場のメカニズム全体が崩壊してしまいます。
ただ、市場のメカニズムが正常に機能する条件は非常に厳しく、極めて限定的な場面にしか対応していないため、これら全ての条件が満たされることはほとんどないということです。

市場のメカニズムが正常に機能していないのは昨日今日始まったことではないということですね。
では、なぜ市場のメカニズムが正常に機能しなくなったのでしょうか。
その原因として挙げられているのをいくつか紹介していきます。

外部性

外部性とは、市場取引に伴って副次的効果が市場を経由せずに取引当事者あるいはそれ以外の第三者に影響が及ぶことです。
その影響がメリットである場合には「外部経済」、デメリットである場合には「外部不経済」と呼びます。
外部不経済になる場合、大気汚染や騒音などの「公害の発生」が原因であることが多く、郊外の被害者が市場取引参加者以外に及ぶことが多く、外部不経済が発生していることになります。

公害が発生した範囲内に住んでいる地域住民は、取引に参加していなくても公害の被害を受けてしまうことになるので、売買取引に関係していない人に対して影響を及ぼしてしまうことを「外部性が共存する」と言い、市場メカニズムによって適切な分配が出来ていないことの代表例として挙げられています。
日本国内で起きた最近の公害は、2011年3月11日に発生した「福島第一原発事故」が有名です。

外部経済と外部不経済の例としては、新幹線が停車する駅が完成し、駅周辺はあらゆる商業施設などが建設され地域の活性化が期待されていますが、新幹線が走行や周辺施設活性化に伴う建設工事などの騒音によって、地域住民への被害が及んでいるということです。

工場などで発生した産業公害であれば汚染者が特定出来るので、その企業が被害者に補償することで外部不経済を内部化することも可能でしたが、昨今問題になっている、地球温暖化などの環境問題は、被害者も加害者も多すぎて特定が出来ないだけでなく、人間一人一人が被害者でも加害者でもあるので補償が極めて難しいです。

現在世界各国で問題になっている新型コロナウイルスの感染拡大は、元を辿れば公害ではありますが、ヒトからヒトへの感染が急速に拡大していったことで元凶を特定することが不可能となっているので、外部不経済と認定するのかは微妙なところとなっています。

公共財

公共財とは、次の2つの特徴を有する財およびサービスのことを指します。

ポイント

1:特定の人(消費者)をその財(サービス)の消費から排除することが出来ない。(非排除性)
2:同時に多くの人々によって消費されることが可能で、消費者の間でその財の消費を巡る競合の余地が発生しない。(非競合性)

例としては、公衆衛生、道路、公園、消防、警察、国防などです。

例えば、民間の娯楽商業施設であれば、お金を払っていない人を追い出すことが出来ますが、公園だと、その公園を作るためにお金を払っていないからといって出て行けということが出来ない。

このような場合に「非排除性」があります。
また、残り1個しかないお菓子を私が購入してしまえば他の人は購入出来なくなってしまいますが、道路だと私が歩いたからといって他の人が歩けなくなるということはありません。

このような場合に「非競合性」があります。
公共財の場合はお金を払っても払わなくても利用出来るので、人々の中にお金を払う理由が存在しません。
そもそも、消費者がお金を払わなければ民間企業の事業として打ち出すことはできず、公共財は市場に任せておくと供給されることがありません。
そのため、道路を必要としている人がいるにも関わらず、供給側のバランスを取ることが出来ないのも、市場のメカニズムの崩壊に繋がるので、市場の失敗の一つとも言えます。
このことから、上記のような公共財は通常、政府が正当な権限を用いて税金を集め、公共事業として実施されています。

情報の非対称性

市場で取引される商品やサービスに関して、ある経済主体が他の経済主体よりも情報を多く持っている状態のことを「情報の非対称性」と言います。

例えば、商品を販売する企業は消費者よりも詳細な情報を持ち、有利な立場になることが多いですが、情報の非対称性が大きくなると、消費者は商品の購入を控えるようになり、市場の情報が円滑に行われなくなることがあります。

労働市場での情報の非対称性は、企業が優秀な人材に対する賃金とそうでない人材の賃金の平均をとった額の賃金を提示して募集を行うことが多いですが、優秀な人材は自分に見合わない賃金だと敬遠し、逆に優秀ではない人材が賃金が高いと考えて応募が殺到します。

その結果、コストを抑えて優秀な人材を採用したい企業側の意図に反して、優秀ではない人材ばかり集まり、本末転倒になってしまうということです。

独占・寡占

特定の商品が一つの企業だけによって供給され、競争相手がいない状態を「独占」、少数の供給者しかいないことを「寡占(かせん)」と言います。
独占状態によると競争相手がいないので売り手が価格を自由に設定出来ますが、市場のメカニズムが機能する条件から大きく外れています。

日本は、「独占禁止法」によって市場独占が禁じられていますが、寡占状態は存在しています。
これまで挙げてきたことが、市場のメカニズムの崩壊に繋がったことで引き起る市場の失敗の原因です。

市場の失敗の解決策は?

市場のメカニズムに頼りっぱなしであれば、いつまで経っても改善する見込みはありません。市場の失敗を解決するには、「政府の力が必要」です。
市場の失敗における政府の役割は、市場メカニズムが働かない分野を是正することです。

上述した市場のメカニズムが正常に機能する5つの条件のうち、機能していない条件分野を政府が修正していくことになります。
そのために政府は、市場の失敗を補うために公共財を供給したり、独占企業を規制したり、市場の失敗に対応していきます。

また政府のもう一つの役割として、所得を公平に配分するため、租税制度や社会保障制度、公共事業などを通じて一経済主体から別の経済主体へ所得を移転させる「所得の再配分」です。

政府は現在、外部経済を増やし外部不経済を減らすように努めていますが、市場メカニズムの修正は極めて難しいので、中々思い通りに進んでいないのが現状です。
条件を全て満たすこと自体ほとんどないので、それだけ政府の負担が増しているということですね。

まとめ

市場の失敗は、市場のメカニズムが正常に機能していないことで引き起き、公害などによる外部不経済や公共財、情報の非対称性や独占・寡占により、市場のメカニズムが正常に機能するための5つの条件を全て満たすことが出来ない原因となっています。

そして、市場の失敗を解決するには、政府の役割が必要不可欠となります。
市場の失敗が解決するにはまだまだ時間が掛かりますが、皆さんも今回述べたことを参考に、市場の失敗についてご理解していただけたら幸いです。

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