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国際法ってどんな制度なの?国際法の成立から課題までを解説!

2020年6月5日

この世の中には些細なことでもたくさんのルールがあり、私たちはそれを守りながら生活を送っています。もちろん、この原則は個人間だけではなく、政府間のいざこざの場合でも適用されることとなっています。

しかし、この政府間のいざこざを止めるためのルールというのは皆さんご存知ないかもしれません。皆さんが知らない間に国際的な組織によって国際法というルールが設定されているのです。

今回はそんな国同士のいざこざをなくすためのルールである国際法について見ていきたいと思います。

国際法ってそもそも何?

国際法(INTERNATIONAL LAW)は、「国と国との関係を律する法律」です。

世の中には些細なことでもたくさんのいざこざがあります。

例えば個人間でのトラブルなどで時に口論や紛争を起こしたりして、最悪の場合であったら民事裁判という形で民法に則って裁かれますが、それと同様に国家間(政府間)でも同じようにいざこざが起こった場合に民法と同じような国際的な法体系が必要になります。

「わざわざめんどくさい法律を制定するなぁ」とは思いますが、この国際法を制定しないと国同士の主張がぶつかり合ってしまい、何が正義であるかという基準が不明確になり、最終的にはいわゆる武力で衝突する形となってしまうからです。

例えば、度々ニュースで話題となっている問題だけでも日本政府が韓国政府やロシア政府との間で揉めている竹島や北方領土を巡る「領土問題」や、中国政府がアメリカ政府との間で激しい応酬を繰り広げている貿易問題などは国際法によって規律される問題が存在していますよね。

このようにそれぞれの国は主権を有しており、「国民国家」を形成しています。世界には190を超える主権国家が存在しており、特に隣国同士というのは大抵仲が良くありません。

しかし、お互いがお互いの主張を好き勝手に繰り広げていては、いきつく先は戦争になってしまいます。それを避けるという目的が国際法にはあります。

国際法を司る機関は国連(国際連合)で、その国際法をもとに国連の司法機関である国際司法裁判所(ICJ)で国同士のいざこざを食い止めています。

この国際法は第二次世界大戦が終わった直後である1945年にアメリカのサンフランシスコで署名された国連憲章に基づいて制定されており、翌年の1946年からオランダのハーグで活動が開始されました。

現在では国同士のいざこざは国際司法裁判所の裁判官が国際法に従って国家間の紛争を解決するように努めているのです。

ちなみに、国際法と似た言葉で国内法という言葉がありますが、国際法が国と国の関係を調整するための法律であるのに対して、国内法は国内の「人と人との関係を律する法律」です。

国際法の成立

国際法を理解するには国同士が必ず持っている主権という概念をきっちり理解しなければなりません。

主権というのは簡単に言えば国が独立している権利のことを言いますが、その主権を持っている国同士の法律のことが国際法というのです。

主権国家の確立

国際法が成立したは第二次世界大戦後ではなく、遙かにそれ以前から生み出されています。国際法の成立は16世紀までさかのぼる事になります。この16世紀にヨーロッパでは主権国家が成立していくようになりました。

現在までヨーロッパではいわゆるキリスト教を中心とした王国がヨーロッパのおおかたを支配しており、なお地方を治めていたいわゆる諸侯たちが力を持っていた封建制度という状態でもあったのです。

けれども、ヨーロッパで宗教改革という新しい波が訪れるとヨーロッパでは西ヨーロッパの国々をはじめとして宗教ではなく、国王によって国を治めるルールが徐々に整えられていくようになりました。

その上長い間宗教を巡る戦争を繰り返していたヨーロッパ諸国は、宗教戦争の終わりとともに水準を満たすまでの自国の領土が確定され、国王の権力が増大になった事によってヨーロッパに主権というコンセプトが生まれていくようになりました。

主権とは、外国の支配に服する事のない独立性を持った国家であり、国家の主権が及ぶ国民と領土の確定された権利です。

そのシステムを規定する条約として、ウェストファリア条約が1648年に成立しました。

この講和条約の締結こそが近代国家、主権国家システムの始まりであると言われています。

しかもこのウエストファリア条約によって現在まで中世ヨーロッパで君臨していた神聖ローマ帝国は実質的に解体。

今まで神聖ローマ帝国の枠組みにいた諸侯たちは各々主権を持っている独立国としての権利をゲットし、主権国家システムが確立されます。

国際法の成立

そして、主権国家体制の成立と共に、主権国家の利害が対立して戦争となった時、国家間の関係を律する法が必要であると認識されるようなり、そのために成立した法体系が「国際法」です。

ヨーロッパでは宗教改革の後に三十年戦争が起こりましたが、これを機にヨーロッパの国同士での宗教の争いは終結していくようになります。

しかし、その代わりにヨーロッパの国同士の利権や植民地の争いなどが問題となっていき、これを調整するための国際法が制定されるべきだという声が上がってくるようになりました。

そこで国際法の父と呼ばれるグロティウスは1625年に「戦争と平和の法」を出版し、戦争の正当な理由を自己防衛・財産の回復・処罰に限り、土地を奪う戦争や意思に反して他人を支配する戦争などを不正な戦争と分ける正戦論を主張しました。

その時点から、国際法は国家間の「戦争」について考える法律であるというように捉えることができると思います。

この国際法はある意味では画期的なものではありましたが、この国同士の利権のぶつかり合いは最初の方は良かったのですが、武器などが発展していくようになると巻き込まれる人の数が徐々に増えていくようになり、20世紀に入るといわゆる大量殺戮兵器を使った世界規模の大戦を2度行い、多くの国民が国家的な戦争に巻き込まれ命を落としました。

このような悲惨な出来事を受けてこれまでの国際法の基準であった戦争のルールから国同士が戦争を起こさないための共通のルールという形で国際法を作るべきという声が上がっていくようになります。

こうして2度の大戦の反省をふまえた国々は第二次世界大戦の直後に国際連合を創設。さらには戦争や国同士のいざこざを止める組織である国連安全保障理事会が設置されたことによって世界的な秩序体制が確立。

国際法の下ではいかなる理由があろうとも明確に武力行使を違法と定め、必ず外交で解決するように促していくようになりました。

国際法の問題

こうして国同士での戦争を止める国際法の理念が確立されることになりましたが、皆さんご存知の通り、第二次世界大戦が終わっても各地では戦争がひっきりなしに起こっています。

これはどういうことなんでしょうか?

第二次世界大戦が終わって国際連合が成立したのちに国際法に基づいた国際司法裁判所が設置されることになりましたが、国同士の利害をどのように調整していき、また国際司法裁判所の判断が主権国家の行動をどれほど抑制できるのか、ということに多くの困難を抱えている印象があります。

その最大の懸念となってしまったのが第二次世界大戦の後に起こったアメリカとソビエト連邦で起こった東西冷戦

この冷戦ではお互いに核兵器を持っていて直線戦争は起こさないものの、この冷戦体制を背景としていわゆる代理戦争という形で戦争を行なっていくようになりました。

例えば日本のお隣にある朝鮮半島では日本が撤退した後、韓国と北朝鮮の間で1950年に朝鮮戦争が勃発。今も終わっていないこの紛争の解決の糸口はまだ見えていません。

また、ベトナムでも同様にベトナム戦争が起こり、北と南に分断されたうえ、武力行使によって南北統一が行われました。

さらに厄介なことに国際連合では安全保障理事会(通称安保理)で国内の紛争を止める決議をしているのですが、戦後に定められた常任理事国(アメリカ、ソビエト連邦、イギリス、フランス、中国)に拒否権という権利が与えられており、例え非難決議をしたとしてもこの常任理事国の一国でも反対したらこの決議は廃案となってしまうのです。

そのため、冷戦の状態では国際法があまり機能していなかったのではないかという指摘があります。

さらに、1989年に冷戦が終わった後もアフガニスタンでは、ソビエト連邦に反発する武装勢力を米国が支援したことによって、「ムジャヒディン」という勢力が拡大し、その後はテロ活動などに繋がっていきます。東西冷戦体制が終結した後にも、グローバル化が加速する中で、テロ活動のグローバル展開まで始まる時代になりました。

また、2010年代以降は、日本の近隣でも隣国との領土問題が再び燃焼し、各国の国民間でのナショナリズムが高まり、相互に非難を展開する状態になりました。

これはどういう問題かというと、国際法というのはお互いの国が同意を得て協調することで成り立っているものです。

そのため、国際法が実施される前提となる国家間の協調体制というものも揺らぐようになっていくと国際法という概念が薄れてしまい、第二次世界大戦後の国際法の理念である戦争を止めるための国際法が機能しなくなってしまうのです。

グローバル社会の中での国際法

国際法は我々にはあまり関係のないことだと思っているかもしれませんが、この国際法はグローバル社会では戦争だけではなく、お互いの貿易や協調姿勢などにも影響を与えているため、我々の生活にもいろいろ密接しているのです。

さらにはインターネットが普及していき、いわゆるグローバル社会に突入していくと国家の壁を超えた経済やモノの動きなどが行われていくようになります。

もちろん、このグローバル社会によって私たちは新しい知識や発見を知ることができるようになったのですが、そこで考えなければならないのが国同士でのグローバル社会下のルールです。

インターネットが進呈していく中、それをどう国際社会の中で調整していき、律するのかという課題にも直面することになっていると思います。

加えて、アクターが政府だけでなく、テロ組織やNGOなどの民間組織がグローバルに展開するようになる中で、国際法がどう変化していくことになるかは、国際社会の一員である私たちも主権国家を超えて考えていかなければならない問題であると思います。

日本という国家について考えれば、隣国との紛争をどう解決するか、また国際社会の一員としてどう協力するかということも考えていく必要があるのではないでしょうか。その際に、国際機関である国連の方針や国際法の下でどう行動するか検討するために、国際法の成り立ちを学習することが役立つと思います。

特にヨーロッパの各国は英国のEU離脱という問題を抱えながらも、国際的な協調体制を形成するように努めていると思います。国際法の発祥の場所であるヨーロッパを参考にして国際法の理念のもとに平和体制を構築していくようにしていくことが大事であると思います。

そのためには私たちは国際的なニュースや時事状況に興味を持ちながらどのようにすれば国内外の問題を解決できるのかに次いて考えなければなりません。

最近、コロナ問題などでアメリカと中国の仲が一気に悪化したり、国際保健機関(WHO)の問題なども存在していますが、それを含めて知識を持つことが重要であると考えます。

国際法の解決について人々が考えるべし

国際法は私たちには関係のないと思いがちですが、国際法がきちんと機能するためには私たちが問題意識を持ち、解決に向けて行動しようという気持ちが生まれると思います。

法律は文章の構成体なので、そこにあるだけでは意味はないのではないかと感じます。

法律が実際に機能するためには、そこに人々の意思が駆動しないとリアルで起こる出来事に対処することはできないと感じます。

ですので、国際法を機能させ、国際的な秩序を守り、戦争の発生を防ぐためにも、法体系を学習するだけでなく、真にそれを機能されるために、人々が意思をすることであると思います。

それこそが今もなお続いている戦争や内戦などを止める一つの手立てになるのかもしれませんね。

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