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政治用語

衆議院の解散ってなに?誰がいつやるのかなど仕組みを解説

2020年5月10日

解散総選挙という言葉はよく耳にしますよね。解散総選挙とは衆議院が解散することとその後の総選挙のことを指します。

ニュースで一度は耳にしたことがある言葉でも、その中身である衆議院解散の仕組みについては知らないってこともあるのでは。なので、衆議院解散に焦点を当てて解説しちゃいます。

解散があるのは衆議院だけ

衆議院解散とは、すべての衆議院議員が任期満了を待たずに議員じゃなくなることです。国会には衆議院と参議院がありますが、解散して総選挙があるのは衆議院だけ。

6年の任期を全うして選挙する参議院に比べて、衆議院は短い任期で選挙をすることになるわけですから、より民意を反映しやすい仕組みになっているわけですね。

さて、衆議院の解散には2つのケースがあって、憲法第7条に基づく解散69条に基づく解散に分けられます。

前者は憲法第7条に規定されているもので、内閣の助言と承認により、天皇が行う解散のこと。

後者は、「こんな内閣いらんわ」とばかりに内閣不信任案が可決されたときに行われる解散のことです。

日本国憲法の下では、衆議院の解散のほとんどが第7条に基づいて行われ、内閣不信任案が可決されて解散するような事態はあまり起きません。

誰がいつやるの?

では、衆議院の解散は誰がどのタイミングで決めるんでしょう。憲法第7条では衆議院解散は、天皇が行う国事行為と言ってますが、天皇は国政に関わってはいけないので、あくまでも形式的なもの。

「じゃあ誰が決めんねん」て話になりますが、憲法解釈上は解散の実質的な決定権は内閣にあります。69条解散を除けば、重大な政治問題に関して国民の意見を聞きたいというタイミングで、内閣は衆議院を解散させて総選挙をします。

いわゆる「国民の信を問う」っていうやつで、小泉内閣の郵政民営化について選挙をしたのは記憶に新しいはず。

解散は内閣の閣議で決定されるので、閣僚の人事権を持つ内閣総理大臣が解散の権限を握っているという見方が定着しています。ですが、1976年の三木内閣のように反対閣僚を辞めさせることができずに解散を断念して、そのまま任期満了を迎えたなんてケースも。(ちなみに任期満了は今のところこの時のみ)

解散したその後のスケジュール 

衆議院解散が閣議決定されたら、議長が「これにて解散します」と宣言します。テレビなどで議員が万歳三唱しているのを見たことがある人もいるのでは。

ちなみに、宣言された瞬間に全議員は衆議院議員ではなくなるので、議会場にいる衛視さんも敬礼をしなくなるそうです。

解散されたら40日以内に総選挙を行わないといけません。そして、総選挙の日から30日以内に特別国会を召集します。

国会の召集によりこれまでの内閣は総辞職をし、あらたに内閣総理大臣を指名することになります。そう説明されて、少し疑問に感じませんか。だって同じ人が総理大臣に指名されるかもしれないのに、その前に内閣総辞職というステップをなぜわざわざ踏むのでしょう。

これには理由がありまして、選挙で改めて衆議院議員が選ばれたわけですから、内閣はより新しい民意を反映させている衆議院の信任を得るべきとの考え方に基づいているからなんです。

解散権をめぐる議論

さきほど、事実上の衆議院の解散権は内閣総理大臣にあると言いました。つまり、総理大臣は機を見計らって内閣の支持率が高いというタイミングで解散権を行使できるわけです。

国民の支持率が高い現政権が選挙で負ける可能性は低いですから、政権交代が起きるのはなかなか難しいものがあります。事実、日本国憲法の下で、衆議院選挙によって政権交代が起きたのは過去4回しかありません。

解散権を乱用するおそれもあることから、解散権を制限するべきとの指摘も。世界的に見ても、日本のように議会を解散させる権限を政権に与えている国は珍しいのが実情です。

ただし、衆議院解散には国民の意見を求めるというメリットもあり、慎重な議論が必要となります。

内閣による衆議院の解散の在り方

先述のように、内閣には衆議院の解散権があります。いつでも好きなタイミングで行使することができます。しかし、意味もなく解散権を行使すると国民から批判を浴びることになります。当然のことながら選挙をするには国民の税金を使って行うことになるので、解散権を行使しすぎると税金の無駄遣いであると批判されます。つまり、適切なタイミングで何か国民の審判を仰ぐための大義名分が必要になります。
今、衆議院議員の任期は残り1年となりました。世間ではいつ解散総選挙が行われてもおかしくないと言われています。来年は東京オリンピックや東京都議会議員選挙もあり、解散総選挙ができるタイミングが非常に限られているのです。一方で9月に発足した菅内閣は早期の衆議院解散には否定的であります。今すぐ解散を打つ手もあるのですが、今衆議院解散をすると新型コロナウイルス対策が必要であるのに今解散をすると一部から批判を浴びる可能性もあり、また菅総理自身も、今はやるべきことを先に行いたいと言っています。このまま任期満了まで行くのではないかとも言われています。
衆議院を解散するには残されている任期を潰してしまうことにもなるので、内閣が解散権を行使するには何か大義名分が必要になります。過去には郵政解散や消費税増税に伴う増税分の使い道など、国民に対して審判を仰ぐための判断材料が使われ、実際に行使した政党が勝利したパターンもあります。一方で解散の大義名分は打ったもの、国民が今までの内閣の政策等で失敗したこと等も重なった結果、選挙で与党が負けてしまい政権交代が起きたこともあります。衆議院は任期も参議院に比べて短く、その時の国民の意見が反映されやすいこともあり、衆議院解散という内閣の強権は良い所もあり、悪い所も存在します。

前回行われた衆議院議員解散総選挙

前回行われた衆議院議員選挙は2017年に安倍政権のもとで行われた選挙です。この選挙では任期途中での解散であったこともあり、政権側は「国難突破解散」という言葉を用い、消費税増税に伴って増税した分の使い道や、安倍政権の今日までの政策に対する国民の審判を仰ぐ機会になりました。この時は、盤石な政権を維持したい自民党と公明党で運営する政権与党と、政権交代を目指したい立憲民主党や希望の党を中心とする野党との選挙戦になりました。
結果的には自民党、公明党で運営する政権与党が300議席を超える議席数で圧勝することになります。一方で、当時東京で任期を博していた小池百合子東京都知事の勢いに乗ろうとし、当時の民進党が分裂状態になってしまいました。小池知事の勢いに便乗しようとして失敗した希望の党と、小池知事に除外された同士で集まって結成された立憲民主党が野党第一党に名乗りをあげることになり、今後の国会運営において、中心的な存在感を放っていくことになります。この時は第3の勢力も台頭するようになってきました。
2017年に行われた衆議院選挙においては解散に伴う大義名分と、安倍政権に対する国民の評価が比較的良かったということになります。

衆議院解散の仕組みがわかると政局が読める

何度も言うように、衆議院解散を決めるのは内閣総理大臣です。そのため政治のさまざまな局面で解散権をちらつかせて反対勢力を抑制したり、逆に重要法案を押し通すために解散権を行使したりもありえるわけですね。

ニュースなどで解散という言葉がでてくるときは、政局が激しく動いていることを意味します。衆議院解散の仕組みを理解して、政治の動きが読めればニュースを見るのも楽しくなりますよ。

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