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政治用語

科学的社会主義とは一体何なの?内容についてわかりやすく解説!

科学的社会主義という言葉を聞きなれない人でも、別名であるマルクス主義という言葉を聞いたことのある人は多いはずです。
「なんとなく学校の授業で習ったな」という人は多くても、実際にその内容を理解できている人はそれほど多くありません。
今回はまず社会主義とは一体なんなのか、そして科学的社会主義とはどのようなものであるかを簡単にわかりやすくご説明いたします。

そもそも社会主義とは?

資本主義の格差社会の中で生まれた社会主義

社会主義は18世紀後半に生まれました。
もともと資本力のある人が事業を展開し、人々を雇って商売を行うという基本構造はできていましたが、ヨーロッパを中心にして始まった産業革命によって格差が大きく開きました。
産業革命以前であれば、職人が1つのものを作り上げて商人へ納品するシステムだったので、誰でも製品を製造できるわけではなく、商品を製造する人たちにも十分な報酬が支払われていたのです。
しかし、産業革命が起こり機械化が進むと、製品は流れ作業で商品を制作するようになりました。
流れ作業になると、1つの作業ができれば製造ラインに加わることができます。つまり、誰でも製造に加われるようになったのです。
すると資本家たちはより安く、より長期労働を行える人物を探し始めます。資本家は事業拡大を行い富は増え、労働者は賃金が下がり労働時間は増えていきました。そこで、この貧富の差を解消するために生まれたのが社会主義だったのです。

社会主義が提唱すること

貧富の差が拡大していく中で生まれた社会主義が提唱することは、より平等で公平な社会の実現です。
事業を行うと利益が生じますが、この利益を国全体で分配しようという考え方です。
これにより、社会主義誕生で注目されたのは資本家と労働者の差を埋めようと考えたのです。
社会主義誕生以前の会社を見てみると、会社のトップはお金や土地などの資本を提供して事業を展開し、その後は生産に携わることなる莫大な利益を得ていました。
逆に労働者たちは、1日10時間から16時間の労働、休日は週に1日のみのを強いられながら、手にできる賃金は生活もままならない状況だったのです。
会社経営に注目すると、資本家と労働者、どちらが欠けても会社として成り立つことは不可能のであることから、得た利益を全員で分配しようとしたのです。
また、大企業と小企業の差も埋めようと考えました。
資本力の差で企業の大きさ、利益の差が生まれていた時代だったので、国全体で利益を分配しようとしたのです。

社会主義はどうしても埋められなかった貧富の差を埋めようとした

人間は生まれながらにして自由で平等であるということは、世界人権宣言でも提唱されていることです。
しかし、社会主義以前の状態を見ると、労働者階級の家庭に生まれると一生を労働者階級で終えなければいけないのが現状でした。
十分な教育を受けることもできず、労働ができる力がつけばすぐに労働者として働かなければならなかったのです。
例えば、産業革命で急速に需要が多くなったのは鉱山資源を手に入れるため、採掘する際に体が小さいほうが採掘するトンネルが小さくて済むという理由で少年が重宝されていました。
1日のほとんどが勤務時間となるため、学校にも通えません。
生活するのがやっとの賃金しかもらえず、字を書くなどの会社を経営するための学力を身につけることもできなかったので、労働者階級から資本家になるということは不可能といえるのが現状だったのです。
これらを解消したいと考えたのが社会主義だったのです。

空想的社会主義と科学的社会主義の違い

理想を掲げた空想社会主義、なぜ社会主義が必要かを掲げた科学的社会主義

貧富の差をなくそうとして生まれた社会主義でしたが、思想が生まれた当時のサン=シモン、フーリエ、ロバート・オーエンらが提唱した社会主義は具体的に当時の資本主義がなぜ悪いものなのかを明記していませんでした。
利益を分配すれば平等な世の中になると提唱していても、目の前の貧富の差を批判することのみで具体的な根拠がありませんでした。
そこでマルクスが当時提唱されていた社会主義を「空想的」という言葉をつけて批判し、貧富の差が生まれるのはなぜかを科学的視点から考察し、「科学的社会主義」を提唱したのです。

空想社会主義を発展させた科学的社会主義

あまりにも大きく開きすぎた貧富の差を目の当たりにし、当時の資本主義を批判する形で生まれた空想社会主義でしたが、当時は批判でしかなかったのです。
例えば、家計が赤字になった際に「赤字だから無駄遣いはよくない!」と提唱するのが空想社会主義でした。
しかしそれではただ財布の紐が絞まるだけです。
保険料の見直しなどで節約できる部分があったり、転職により収入が上がって赤字を脱する方法もあるかもしれません。
このように、具体的に何が良くないのかを提唱したのが科学的社会主義なのです。

科学的社会主義で新たに付け加えられたもの

空想社会主義を具体的にしたものが科学的社会主義でしたが、具体的にするためにマルクスが用いたものは経済学でした。
アダム・スミスやリカードが提唱した労働価値説に注目して当時の資本主義を批判しました。
労働によって価値が生まれるとした労働価値説ですが、労働価値によって商品の価格が決まっているであれば貧富の差が生まれるはずがないという部分に注目しました。
具体的に注目することにより、労働者の労働力が資本家たちに搾取されているということを見つけ出したのです。

社会主義の現状

科学的社会主義が確立すると、社会主義を採用する国が増えてきました。
戦前ではロシア・ソビエト連邦社会主義共和国、モンゴル人民共和国などが採用しましたが、第二次世界大戦後はたくさんの社会主義国が誕生しました。
たくさんの社会主義国家が誕生すると、社会主義国家と資本主義国家が対立するようになりました。
これが冷戦と呼ばれる対立です。
しかしその後、ソビエト連邦の崩壊や東西ドイツの統一などで採用国は減ってしまいましたが、現在も中国、キューバ、ラオス、ベトナム、北朝鮮、バングラデシュ、ガイアナ、インド、ポルトガル、スリランカ、タンザニアが社会主義を採用しています。

社会主義の変化

1990年頃に社会主義国が激減します。
トップとして社会主義諸国を牽引していたソビエト連邦が崩壊し、東西ドイツの統一により社会主義国であった東ドイツもなくなってしまったことがきっかけです。
資本家として成功しても収入が増えることはありませんので労働意欲がなくなってしまったことが主な原因でした。
国家が生産計画を立てそれを実行する形が社会主義だったので、余剰分を生産しなくなり生産力が落ちてしまったことが原因です。
生産力が落ちると商品が減少し、経済が衰退してしまいますので社会主義国家が相次いで破綻してしまったのです。
現存で残っている社会主義国を見ると、中国のように社会主義を存続させつつ市場経済を取り入れるなどの工夫を行うことにより、現在も社会主義国として残っているのです。
このように、マルクスが提唱した科学的社会主義を発展させて時代に合う形にすることによって、社会主義が存続できているのです。

まとめ

産業革命によって開いた貧富の差を解消させるために生まれた社会主義ですが、具体的に何が問題であるかを具体的に示したのが科学的社会主義です。
その後は国ごとに形を変えてはいるものの、科学的社会主義は世界中に社会主義が普及する大きなきっかけとなりました。
また、社会主義が勢力を強めることにより、資本主義が見直されてきたということも事実です。
年金や社会保険制度、義務教育制度、労働基本法などの確立により、資本主義国家においても平等を目指す風潮が出てきたのです。
科学的社会主義は世界中の国家を発展させるために重要な役割を担っていると言っても過言ではありません。

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