よくニュースなどでハイパーインフレーションという言葉を耳にします。しかしそもそもハイパーインフレーションは何なのか、またそれが起きるとどうなるのかについて答えられる人はそう多くありません。そこで今回は知られざるハイパーインフレーションについて掘り下げていこうと思います。
そもそもインフレーションとは何か
そもそもインフレーションとは物価の上昇が継続的に起こる現象です。それの対義語となっているのがデフレーションで、物価の下落が継続的に起こる現象です。日本では1990年代まで一貫してインフレーションが起きていますが、バブルが崩壊したあとはデフレーションを経験するようになりました。
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ではハイパーインフレーションとは何でしょうか。アメリカの経済学者のフィリップ・ケーガンはインフレ率を毎月50%以上になることをハイパーインフレーションと定義しています。毎月50%のインフレ率が1年間続くと、1年後には物価が129.75倍になります。
インフレが起こると物の価値が高くなり、既に物を持っている人が得をすることになります。その動きが加速すると、インフレーションが起こる前に物を買っておこうという動きが高まります。そうするとインフレーションがインフレーションを呼ぶことになり、ハイパーインフレーションが発生します。
ハイパーインフレーションの原因
ハイパーインフレーションは経済が悪化したときに起こります。その要因の中心になっているのは国家の財政の悪化によって政府の信用が低下することです。政府の信用が低下すると、必然的にその国の通貨を持とうとしなくなり通貨の価値が下がります。
また戦争や大災害、疫病などで生産の拠点や流通が崩壊したら物が市場に出回らなくなります。そうなると物の価値が暴騰してやはりハイパーインフレーションになります。
ではハイパーインフレーションになるとどうなるのでしょうか?ハイパーインフレーションになると、お金の価値が大幅に下がって紙幣が紙くずになります。食料や日用品を購入するのにも札束を持ち歩かなければならなくなります。
また自国のお金に対する信頼がなくなるので、電子決済や外国のお金で欲しいものを手に入れなければならなくなります。またそれらの設備が整っていない場所では物々交換で欲しいものを手に入れなければならなくなります。
ハイパーインフレーションが起こった国
実際にハイパーインフレーションが起こった国も多くあります。代表的なのがドイツとジンバブエです。
ドイツは第一次世界大戦の後にハイパーインフレーションが発生しました。その要因として、第一次世界大戦中に大量の国債を発行したこと、戦後フランスやイギリスから多額の賠償金を請求されたこと、ドイツ封鎖によって食料や資源を得ることが難しくなっていたことが挙げられます。最終的に100兆マルク紙幣が発行されるほど貨幣に対するドイツの信頼は無くなっていました。
ジンバブエでは2008年にハイパーインフレーションが起きました。理由としては白人農家や大企業を国外に追放するような政策を取り、物が国内から極端に減ったこと、価格統制令によりものを安く売ることを強制したことが挙げられます。
こちらも最終的に100兆ジンバブエドルが発行されることになり、その後ジンバブエドルは放棄されて、外国の通貨が中心となって出回るようになりました。

ハイパーインフレーションは恐ろしい
ハイパーインフレーションは物価の上昇がとても大きくなる現象です。それの原因は政府の財政悪化や物の不足があります。またハイパーインフレーションはこれまでドイツやジンバブエで発生しており、どちらも超高額の紙幣が発行される事態になりました。
ハイパーインフレーションになるとほとんどの人が生活に困るので、政府にはこれを防ぐ政策をすることが望まれます。