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政治用語

普通選挙法ってなんなの?普通選挙の歴史と課題について解説!

今の日本を含めた自由主義国家は基本的に大人であれば誰でも選挙の時に投票することができます。

この普通選挙民主主義国家の根幹となっている訳なんですが、一体普通選挙とはどのような選挙なんでしょうか?

今回はそんな普通選挙について解説していきたいと思います

普通選挙とはそもそも何?

普通選挙法とは、一般的に、財産・性別・人種・信仰などにかかわらず、一定の年齢に達した成年の国籍を有する者全員に認められている選挙権・被選挙権を行使して代表者を決定する選挙制度をいいます。逆の言葉は制限選挙です。

元々は普通選挙といっても男性のみに限定されていましたが、19世紀~20世紀初頭までに欧米諸国で一般化して、日本では1925年に男性普通選挙となり、女性参政権は1945年に与えられました。

選挙の歴史的変遷

  選挙では、投票・挙手・起立などの意思表明手段で代表者を決めますが、このような選挙行動の起源は古く、古代ギリシャにさかのぼり、アテナイなどの都市国家においては、在留外人や奴隷を除く成年市民男子(18歳以上)が参加資格をもつ民会(エクレシア:市民集会を指す)で、知見の豊富な人々から軍を指揮する将軍や各種の紛争に関わる調停者などを選挙で選出していました。

古代ギリシャに端を発したこのような選挙の伝統は、その後古代ローマ帝国の「クリア民会(ローマの3部族の民会)」、「兵員会(ローマの皆兵義務による百人隊)」、「地区会(ローマ市域と周辺域を区分けした民会)」での法案決定権と官職の選挙権へと発展しました。

このような選挙行動は、時代を経て中世のカトリック教会へと受け継がれ、ローマ教皇が枢機卿により選出される制度(コンクラーベ)を生み出します。この教皇選挙では外部からの介入を防ぐため、システナ礼拝堂に招集された全枢機卿を礼拝堂のまわりの小部屋に閉じ込め、投票会場(コンクラーベ)で新教皇を秘密投票で選び、決定は会場にある暖炉の煙突から昇り立つ煙の色で表し、未決定の場合は黒、決定の場合は白の煙を出して、サン・ピエトロ広場で待つ信徒に知らせます。このコンクラーベのスタイルは今もなお踏襲されて行われています。

ヨーロッパ近世における絶対君主制下の各国では、伝統的な民会スタイルから身分制議会(聖職者身分、貴族身分、平民身分などに区別した「三部会制」、高級聖職者・大貴族の上院と下級貴族・平民の下院の「二院制」)へと発展していきました。代表的なものとして、フランス(全国三部会、地方三部会)、ドイツ(帝国議会、連邦議会)などがありますが、常備軍と官僚制に支えられた絶対君主の専制のもと、身分制議会の機能は抑圧されたものとなりました。

普通選挙の始まり

9世紀に入り、フランス革命の勃発、産業革命の進展にともない、ヨーロッパで資本家と労働者の階級対立が顕著になり、イギリスでは勃興してきた第三身分(平民)を主体に選挙制度への改革気運の高まりを受け、1867年に都市労働者への選挙権の付与に続き、その後選挙権の枠は順次拡大されていき1918年には男子普通選挙が行われ、女子の選挙権も1918年には31歳以上に、1928年には21歳以上に認められました。

フランスでは、フランス革命後の1792年9月に男子普通選挙が行われましたが、その後憲法で停止され、1848年の二月革命下で男子普通選挙が本格的に実施されました。

婦人参政権の要求も行われていましたが、第二次世界大戦後の1945年に婦人参政権法案が議会で採択されるまで実現しませんでした。

アメリカでは、19世紀中頃から各州で男子普通選挙が行われるようになり、1870年には黒人に、1920年には女性に与えられました。

ちなみに、婦人参政権導入が遅れたその他の主な国として、イタリア(1945年)、ベルギー・イスラエル・韓国(1948年)、中国(1949年)、ギリシア(1952年)、スイス(1971年)などが挙げられます。

日本における普通選挙制の歴史的変遷

日本における近代の選挙法制は、納税額により選挙権を制限した1889年(明治22年)の「衆議院議員選挙法」に始まりますが、第1回の衆議院議員選挙は1890年(明治23年)に行われ、選挙権者・被選挙権者とも15円以上の直接国税納入者で被選人は30歳以上、選挙人は25歳以上の男子という「制限選挙」で、有権者数は約45万人と当時の全人口の1%に過ぎませんでした。

このような制限選挙に対し、選挙権の拡大を求める普通選挙運動が盛んになり、1924年(大正13年)には市川房枝らによる婦人参政権獲得期成同盟(25年に婦選獲得同盟に改称)の結成など婦人参政権の運動も開始されました。

1925年(大正14年)には、「男子普通選挙制」が実現し、納税要件が撤廃され、25歳以上の男性に選挙権が与えられましたが、婦人参政権は認められませんでした。このとき、中選挙区制度の採用、公営選挙の導入など現在に至る選挙制度の骨格が定められました。

婦人参政権は第二次大戦後の1945年(昭和20年)12月の改正選挙法で実現し、満20歳以上の男女による平等な選挙制度となり、翌年4月の総選挙では婦人議員が79名立候補し、39名が当選しました。

普通選挙法における民主選挙の原則

日本における「普通選挙」法制では、選挙の自由と公正を確保するため、「普通選挙」、「平等選挙」、「秘密選挙」、「直接選挙」、「任意選挙」の5原則が承認され、採用されています。

普通選挙

法が定めた一定年齢に達したすべての国民に選挙権を与えるもので、収入や資産、出自などといった条件により選挙権に制限を加えないことをいいます。

平等選挙

一人一票同一価値を原則とします。最近では、人口移動などに起因する有権者と議員定数の比率が選挙区間でバランスを欠き、一票の格差が生じるなど「平等選挙」の原則から外れている現象が見られます。

秘密選挙

有権者の投票行為や選挙行為が他に漏れないようにする選挙をいい、社会的弱者の選挙 参加を促すことを目的としています。

直接選挙

有権者が直接、議員や自治体首長などを選びます。例外として、日本の総理大臣は国会議員の中から国会によって選出されるため、形としては間接選挙といえます。

任意選挙

有権者には投票・選挙行為をする権利はありますが、義務ではないことをいい、棄権をする自由が認められていることを意味します。

普通選挙法をめぐる問題点

普通選挙は民衆の意見を受け入れるのに適している方法ですが、それに伴って問題点も上がり始めているのも実情です。

次はそんな普通選挙の問題点について見ていきたいと思います。

一票の価値の不平等

一票の価値の不平等とは、選挙区により議員一人当たりの有権者数に差があるという問題で、「平等選挙」の原則に違背するものと指摘されています。

人口移動などに起因する有権者と議員定数の比率が選挙区間でバランスを欠き、一票の格差が生じる現状を踏まえて、選挙区の区割りや議員定数の変更などの調整が課題となっています。

投票率の低下傾向

近年、各種選挙における投票率の低下傾向が顕著になっています。投票率の低下という現象は、社会の経済状態が良好で、「失業率」や「消費者物価指数」などの経済変数に問題がない場合や与野党勢力の差が大きい場合などに起きがちの現象ともいえます。

投票するしないは「任意選挙」の原則から有権者の自由ですが、極端に低い投票率は選挙結果そのものに対する信頼性を毀損する以上に、投票率が政治権力の統治の正当性を裏付けする(代表としての信任、民意の反映、政策実行の評価など)ものであり、投票率の低下はその意味で好ましいものとは言えません。

普及しない電子投票制度

2002年にいわゆる電子投票法が施行され、日本の公職選挙(地方選挙に限定)で電子投票ができるようになりました。電子投票はATMのように画面に映し出された候補者・政党を選択するシステムで、簡単かつ容易であるため、ミスも少なく迅速な開票事務が期待されるものでした。

しかし、そのメリットはよく理解されたものの、システムの設置費用が高価であり、選挙事務の性格から日常的に使うシステムでないため、費用対効果の側面から躊躇する自治体も多く、先行した自治体での電子投票で機械が故障するなどシステムの安全性の確保などにも問題もあり、各自治体の電子投票制度の導入意欲が大きく低下しています。

普通選挙を大切に

政治家のみで動かされていると思いがちの政治ですが、日本などの国はなんだかんだでみなさんの投票によって政治のあれこれが行われているのです。

その裏には普通選挙を獲得しようとした人々の想いが込められているのです。

だからこそ選挙に行って自分の意思表示をするのが大切ということなんですね。

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