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豆知識

フランスの政治制度ってどんな制度?フランスの政治制度についてわかりやすく解説!

2020年6月14日

フランスといえば花と芸術の都パリ。

真っ先にフランス料理やルーブル美術館などが浮かびます。

華やかで贅沢でゴージャス感あふれるイメージのフランス。さぞ優雅な政治体制を布いてきただろうと想像してしまいます。

しかし、フランスは想像もつかないほどの血と苦渋をなめた歴史を持ち、現政治体制に至っています。

また、現在のフランス政治体制は日本やアメリカとはちょっと異なります。どのように違うかを解説していきましょう。

フランスの政治の肝 半大統領制とは!?

日本は議院内閣制で大統領ではなく首相です。首相は国民が直接選ばずに、国民が選出した議員によってえらばれます。

アメリカは大統領制で、国会議員から選出せず立法との分離を実現しています。選出するのは直接有権者(国民)ということになります。

さて、フランスは半大統領制で、呼称はちゃんと大統領と呼ばれますが、持てる権限が違います。

議会ではない国民直接選挙で選出され、大統領としての執政権を持っているところまではアメリカと似ています。しかしフランスは議会と内閣という、日本と同じ政治制度も持っています。そこには当然「首相」が存在しています。そのため、「フランスの政治家でよくテレビで観るのは大統領だけで、首相がいたなんて知らなかった」と思われる方も多いのです。これは首相・大統領が全てを負わず、例えば大統領が政治の大枠と外交を受け持っているなら、首相は内政を受け持っているという感じです。つまり、大統領がテレビによく出ているのは、外交担当ということだからです。

まとめてみると、

選挙で選出される大統領

大統領が憲法上大きな権限を持っている。

議会の過半数の支持で成立する首相と内閣がある。

ということになり、議会と大統領が融合した政治なので「半分大統領」ではありません。

「大統領制的議院内閣制」とも呼ばれています。

シャルル・ド・ゴールとフランスの近代政治の歴史

シャルル・ド・ゴール

パリのシャルル・ド・ゴール空港という空港名を聞いたことがありませんか。

フランス近代政治の波を潜り抜け、現在の政治基盤を築き上げた政治家の名から命名されました。

フランスの第二次世界大戦前は第三共和制で、議会の権限が強い政治体制でした。政党の数が多く、政権交代が激しく政局は非常に不安定。第二次世界大戦後は第四共和制が誕生したものの、これも崩壊。たった1年間で21の内閣がコロコロと変わってしまいました。こうなると内閣は何かを成し遂げるどころか、首相の名前も覚えきらないうちに次の首相になってしまいます。

このフランスの窮地を打開したのがシャルル・ド・ゴールです。大統領の権限を大幅強化し、数多く巨大化した議会の権限を縮小。1958年制定した「第五共和国憲法」がうまれました。そして、その初代大統領にはシャルル・ド・ゴール本人が就任して、現在の政治の基本的枠組みとなったのです。

フランスはヨーロッパの中でも政治や宗教のために多く血を流してきました。有名なジャンヌダルクが活躍した百年戦争や、王妃マリーアントワネットがギロチンにかけられたフランス革命、ナポレオン帝国。多く戦乱と多くの民の血の上にたどり着いた共和政なのです。

フランスの大統領の任期と権限

以前のフランス大統領は、任期7年で再選回数制限なしという規定でした。しかし2期以上というと14年以上。あまりに長すぎます。2000年の国民投票で任期が5年に変わりました。さらに、2008年には憲法改正により連続した任期は2期(10年)となったのです。パワフルな行動家で有名だったシラク大統領までは7年任期で、2002年2期目大統領に当選したシラク大統領自身により改正しています。

議会の力が強かった時代より、現代の大統領は権限が大きくなりました。国民の支持に基づいた司法・立法・行政の国家元首という位置にいます。

例えば、軍の指揮権・外交権・首相任免権・国民議会解散権を大統領は持っています。日本と違う大きな権限としては、法律・条約・憲法改正案を議会を通さずに直接国民投票にかけることができます。特徴的な権利としては、自身の免責特権・恩赦を与える権利があることです。つまり反逆罪などは無理ですがその他の責任を追及されることがありません。

大統領については選挙も特徴があります。日本では選任された議員から選ばれますがフランス大統領は2回の国民直接投票で選ばれます。より国民の意思が繊細に反映されやすくなっている選挙制度です。

フランスの首相と大臣

大統領の権限と違い、フランス首相は内政を担当します。

フランス首相は大統領によって任命されて、閣僚候補を大統領から推薦任命されます。

議会は上院と下院で構成されていますが、下院が不信任決議案を可決した場合は、内閣総辞職を大統領に申し出ます。

大統領はこの場合2択です。現内閣を支持(下院解散)か、下院が支持する新しい内閣を任命するというものです。大統領が上に立っている分、日本より少し複雑です。大臣職も厳しく兼業ということが禁止されています。大臣は職業活動はもちろん、全国的性格を持つ職能代表職務や公職、さらに国会議員の職務でさえ辞職して勤めます。相当な覚悟が必要だと想像に難くありません。

フランスの国会

ブルボン宮殿(下院の本会議場)

フランス首相が先導するフランスの国会は下院(国民議会)と上院(元老院)で成り立っています。下院のほうが権限は強くなっていて、任期は5年で国民直接選挙にて選出されます。この選挙はフランス国籍の18歳以上男女が参加でき、1選挙区から1人当選です。一方上院は元老院で任期9年。3年ごとに1/3ずつ改選していきます。こちらは直接選挙ではなく、地方議会議員などの選挙人団による選挙になります。

日本の選挙は投票率が悪くても多く票を集めればOKの仕組みですが、フランスは登録有権者の1/4以上を獲得したものがいなければ2回目の投票を行います。より国民の意思を反映しやすくなるような仕組みになっているのでしょう。

フランスの国会議事堂は、ブルボン宮殿になります。ブルボン宮殿は首都パリ7区セーヌ川沿いにあり、ギリシャ調で美しい宮殿です。ルイ14世の子息が住んでいたという建築物は、正面にはオベリスクがありパリの名所にもなっています。「古くて中はどうだろう?」と思いきや、ブルボン王朝の栄華さながらの煌びやかさはヴェルサイユ宮殿にも負けません。一見、議会というよりはオペラハウスみたいですね。

元老院の議会はリュクサンブール宮殿です。パリ6区リュクサンブール広場が目の前です。イタリアフィレンツェのピッティ宮殿を元にデザインされていて、ナポレオンも使っていたという椅子が展示されています。

フランスの立法と司法

フランスの司法は「刑事裁判所」「民事裁判所」の2つがあります。この二つは日本にもあるにので馴染みがあると思います。日本と違って違憲立法審査権を持つ「憲法評議会(憲法院)」も設置されていて、一つは大統領が任命する3人。もう一つは上院議長・下院議長が任命する各3人の計6人です。大統領任命の3人は人気が9人ですが、下院上院議長任命の委員は終身という驚きの任期です。

「これは違憲ではないか」と審議できる期間は、法案提出~大統領署名までの間です。提訴できる人も限られていて、大統領・首相・両院議長・下院上院議員各60名のみになります。

フランスの歴史がこのような政治体制を生んだ

フランスという国は自然とこのような政治体制になったわけではなく、フランス革命から始まって幾度の困難を乗り越えていたのような政治体制が生まれたのです。

フランスの共和制やこのような政治体制はフランスの歴史が詰まっており、国民の誇りなのですね。

 

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