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イギリスのEU離脱でどうなる?今後のイギリスの未来

2020年2月1日

2020124日。イギリスにて女王陛下エリザベス2世がEU離脱法案を裁可して成立。

そしてイギリスは131日付にてEUを離脱(ブレグジット)をすることが確定となりました。

EU離脱選挙から足掛け三年。どうしてここまで離脱が長引いてしまったのでしょうか?今回はそんなイギリスがEUを離脱したい理由とその後の影響についてみていきたいと思います。

なんでイギリスはEU離脱したいの?

EUを離脱したい理由はあげればキリがありませんが、特にEUの方針との対立などが原因でした。

移民の受け入れをなんとか止めたい!

イギリスがEU離脱したい重要な理由に移民問題があります。

EUというのは簡単に言えば「ずっと戦争が起こって大変だったヨーロッパを経済的、政治的にいろいろ統合していこう!」というもので、要するに国境や関税や法律などを一つにまとめる組織でした。

そのため、EUに入っている国同士の国境は自由に通過可能ですので、いろんなヨーロッパの人たちがイギリスにやってくることができます。

しかしそうするとEUに入っている東欧の国とかは賃金が良く、さらには福祉制度がしっかりとしているイギリスにどんどん移民として流れ込んでいくようになります。

その結果どうなるのかというと、イギリス国民から徴収した税金が東欧の国の移民たちに使われるようになり、さらには賃金が安くても働いてくれる東欧の国民を採用してイギリス国民の労働者を使わなくなってしまうという事態が起こってしまったのです。

さらに、もしEU内で経済危機が起こった場合にはその国の財政援助をしなければいけないとされており、イギリスはユーロを使っていないにもかかわらずギリシャ財政危機の負担をさせられたり、東欧の国の財政援助をしたりしています。

国民からしたら「なんで汗水流して稼いだ税金を見ず知らずの東欧の国に渡さなければならないんだ!」となるのは当然のこと。不満が溜まるのも無理はありません。

自分自身で国家を運営していきたい!

ヨーロッパ内での統合を進めていきたいEUEU法というEU内で適用される法律が存在しています。

このEU法はなんとそれぞれの法律よりも強い権力を持ち、EU法の内容が例え国の法律で禁止されていたとしてもEU法がその国で成立してしまうという状態となるのです。

そうなるとイギリスからしたら自分に不利な法律を作られてしまったらとんでもないほどの迷惑。さらにEU法を作るときにもイギリス国民が決めるわけでもないので国民からしたら「俺たちの主権はどうなっとんねん!」となるのも仕方がないこと。

そのため、イギリス内ではEUを抜けてイギリス独自の法律でやっていきたいという思いがあるのです。

さらに、EUでは貿易のことを自分で決めることは不可能。例えばイギリスと日本が貿易関係を結ぶときには必ずEUとして結ばなければなりません。

そのため、イギリスが絶対に守りたい産業を守れない状態になる可能性もあり、イギリスの経済に影響を与えるかもしれないのです。

大英帝国の威信とヨーロッパとの微妙な関係

イギリスがEUから抜けたい一つの理由にやっぱり戦前の大英帝国のプライドがまだ抜けていないことにあるでしょう。

かつて世界の海と富を牛耳った大英帝国。今でこそイギリス連邦に変わり、アメリカにその立場を譲ることになったのですが、イギリス国民からしたらやっぱりそのプライドがあり、「なぜイギリスがEUに従わなければならないのだ!」と主張している国民も一定数いるのです。

また、イギリスはGDPは世界5位。ヨーロッパではドイツに続いて2位と世界でも有数の経済大国であり、イギリス連邦と協力すればEUなんてなくてもやっていけるという自負があるのです。

さらに、イギリスはヨーロッパの国々と陸続きになっていないため、イギリスは『栄光ある孤立』を保っていた歴史があるように基本的には距離を置きたい性格があるのです。

このようなことがあり、EU離脱投票では離脱賛成派の多数によって離脱が可決。イギリスはEUからのブレグジットを果たすことになりました。

離脱に時間がかかった理由

こうしてEUを離脱することになったイギリスでしたが、イギリスのEUの離脱は伸びに伸びて本来であれば2019329日に離脱することとなっていましたが、メイ首相(当時)の離脱案が「EUルールに縛られ続ける恐れがある」として英議会が反発。最終的には20201月までに伸びに伸びることになりました。

経済に対する不安

イギリスの離脱が長引いた最大の理由は経済に対する懸念や、関税に関する問題です。

EUという組織は元々ヨーロッパの経済を共同に管理することを目的で作られていますので、EU内では関税がかかることはありません。EU外に輸出しようにもEUが決めた関税で輸出しているため、EU内では公平な経済体制が整えられています。

イギリスからしたらこの関税をなんとか自国で管理したいという思いがあり、それがEU離脱の理由の一つとなりましたが、関税を抜けるとなるとヨーロッパ内の国々との間に関税をかけられることとなります。

しかし、イギリスだけ独自の関税を導入すると、ヨーロッパの食品や農作物を輸入するときに関税や検疫の検査を行わなければならなくなり、食料が急激になくなってしまったり、さらにはイギリスから撤退しようとする多国籍企業も現れたりする弊害が見込まれていくようになり、イギリスの経済が危うい状態となってしまうと懸念する人が現れはじめたのでした。

どこの国でも関税は自由にしたい

イギリスは関税を自由にしたいと考えていますが、実は日本も関税を自由にするために悪戦苦闘していた時期がありました。

1858年、日本とアメリカをはじめとした5ヶ国が安政の5ヶ国条約を締結したことで日本は関税を自由にかけられない国家となってしまいました。

もちろん、関税を自由に決められないのは不平等でもあるので、日本はこの関税自主権を回復ために外交努力を重ね続け1911年についに関税自主権を回復しました。

関税の自主権は国家からしたら死活問題であり、どこの国でも関税が自分で決められないということは耐えがたいものでもあったのです。

北アイルランド国境問題

EU離脱に対する懸念は経済的な理由だけではなく政治的理由もあり、その一つが北アイルランド問題です。

北アイルランドはアイルランド島にあるイギリスの飛地ですが、この北アイルランドはアイルランドがイギリスから独立する際にイギリスに残留した地域となっています。

この北アイルランドの問題はアイルランドとイギリスが仲が悪いことも相まって1968年から1998年まで北アイルランド紛争という形で戦争という形となってしまいましたが、EUに両国が加入すると国境があってないようなものとなり、北アイルランドの住民たちはアイルランドに出入国を頻繁に行うようになっていきます。

しかし、イギリスがEUを離脱することになると国境管理も行わなければならないようになり、もしかしたら北アイルランド問題が再噴出して北アイルランド紛争の二の舞になるという懸念があるのです。

イギリスのジョンソン首相は「北アイルランドは離脱してからもある程度の期間まではEUの関税同盟のルールに従い、アイルランド共和国との間で厳格な国境管理は行わないことにする」という妥協の意思を示しましたが、問題の根本的な解決にはつながるかどうかは微妙なところです。

国民の離脱に対する不安

EUが離脱することになりましたが、実はイギリス国民の全体がEU離脱に賛成しているのではなく、あくまでも僅差での勝利によるものでした。

さらに、イギリス国民の中では冗談のつもりで離脱賛成に投票したという人も多くおり、その人は投票した後に後悔する始末。民主主義においてとんでも無い最悪の結末となりそうな予感がしますが、そのため国民がEU離脱を是が非でも進めていきたいというわけではなく、国民の間では経済に対する不安や前メイ首相の折衷案にゲンナリする人が続出。

前メイ首相が「イギリスは当面、EUの関税同盟の中にとどまる」という議題を持ってくれば「それじゃEU離脱した意味がないじゃ無いか!」と労働党に言われ、だからといって合意なき離脱となってしまったらイギリスの経済に深刻なダメージが与えられるのは必至。議会の水掛け論によって何も進むことはなくダラダラとEU離脱を延期を行なっていたというわけなんです。

イギリスのこれから

EU離脱を決めた今、イギリスの離脱はどのようにしても覆ることはありません。イギリスは1月31日付でEUから離脱し、新しい道を歩み始めることになります。

しかし、イギリス国民の感情は複雑なもので、特に生まれた時からEUに入っているような若者などはフランス・ドイツ・イタリアなどといった企業や大学に進むことが難しくなっていきます。

しかし、再び国民投票を行おうとしようにも、結果を覆したら「国民の総意を覆した」という結果が残り、イギリスが長時間かけて築き上げた民主主義の原則に傷をつけることになる可能性もあるのです。

『覆水盆に返らず』

EU離脱のイギリスはまさしく、このような感情なのかもしれません。そしてイギリスはどのような未来を歩んでいくのか?その動向も見ものです。

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