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政治用語 豆知識

直接民主制とはどんな制度?その歴史から例などをわかりやすく解説!

日本は今民主主義という政治体制をとっており、基本的には政治を動かしている人物は国民が選んでいるという方式をとっています。

しかし、民主主義には2つの種類に分かれているということをみなさんはご存知でしたでしょうか?

今回はそんな民主主義の一つの形態である直接民主制について解説していきたいと思います!

直接民主制とは?

スイス・グラールス州の州民集会の様子(wikipediaより引用)

直接民主制は、憲法などの重要な事象の可否において、国民投票や住民投票などによって決める方法で、国民が直接政治を行う事です。

民主主義には、直接民主制と間接民主制という2つの制度があります。
もう一つの制度である間接民主制は、国のトップや議員が投票によって選出され、政治を行う制度です。近年、英国によるEU(欧州連合)離脱の是非を問う住民投票など、直接民主制について報道される機会が増えているように思われます。

直接民主主義の起源

直接民主制の起源は、紀元前のギリシャ時代まで遡ります。
この頃のギリシャのアテネで行われていた民主制は、完全な直接民主制でした。
これによって市民の意思が細かく政治に反映し、権利や義務についても平等を保てるという長所がありました。
しかし、有権者である市民の定義は、現代の考えとは全く異なるものだったのです。アテネで、政治参加の権限を持っているのは18歳以上の成人男子のみとされていました。
当時のアテネの人口は、約12万人でした。そのうちの3万人ほどが有権者でした。その他、アテネで暮らしていた女性、外国人、奴隷には参政権はありませんでした。さらに、奴隷については人権さえありませんでした。

ここが、現代の直接民主制と大きく異なるところです。

近代の直接民主主義

近代の直接民主主義の起源は、フランス革命と言われています。18世紀末になると、ヨーロッパ各地で市民革命が広がりました。
フランス人は、自分たちが導いた人民の革命(フランス革命)が、近代化と民主主義という文化をもたらしていたという強い信念を持っています。
ただ、フランス革命は非常に複雑なものだったのです。
フランス革命は、生まれと身分に関係なく、自由と平等な社会を目指して始まったため、混乱が起こったり、目標を失って膨大な数の犠牲者を出してしまい、本当の革命には、なかなか至らなかったのです。
とはいっても、フランス革命が西洋現代文化の出発点というのは間違いではなく、今の「国家主権」という考えは始まりでもあるのです。

直接民主制の原理

現代の直接民主制は、代表者を介さず市民や国民が直接政治へ参加する仕組みとなっています。
この直接民主制の原理には、以下の3つがあげられます。

ポイント

(1) 国民投票(レファレンダム)
(2) 国民発案(イニシアティブ)
(3) 解職請求(リコール)

(1) 国民投票(レファレンダム)とは?

これは、国家の議案に対して国民が直接投票することで是非を決めることです。
直接民主制が日本の国政でもちいられるのは、憲法改正の時のみに限られています。

(2) 国民発案(イニシアティブ)とは?

これは、政治に参加する権利のことです。
つまり、参政権のことで、これを持つ者が立法や憲法改正を発案する権利を有しています。
日本では、地方行政で地方公共団体の条例制定、改廃を請求できます。これは、地方自治法74条で定められています。

(3) 解職請求(リコール)とは?

国や自治体などの公職者に対して、国民・住民が任期満了前に退職させることのできる制度です。日本では、地方行政において

ポイント

・知事や市町村長の解職請求
・地方議会解散の請求
・地方議員(役員)の解職請求

をおこなうことができます。これは、地方自治法76条より解職請求が定められています。

日本の直接民主制

日本の直接民主制は、国政では憲法改正の国民投票しか機能していません。
しかし、地方自治では住民が直接請求権を住民発案の下、直接請求権を行使することが出来ます。

(1) 地方自治の直接請求権

直接請求権では、以下の請求を行うことが出来ます。

ポイント

a) 条例の制定、改廃の請求
b) 議員・首長の解職請求
c) 地方議会の解散請求
d) 職員の解職請求
e) 事務監査請求

条例の制定、改廃の請求

地方公共団体の条例制定だけでなく、廃止・変更の要求をすることができます。
その為には地方自治法74条より「有権者総数の1/50以上の署名」が条件となります。
また、地方公共団体の首長(トップ)に発案代表者が請求することになります。
首長(トップ)は、請求受理をした日から20日以内に議会において審議を行って結果を公表する義務があります。

議員・首長の解職請求

議員や首長を罷免(退職)させることが出来ます。
条件として地方自治法76条~79条より「有権者総数の1/3以上の署名」が必要となります。これを発案代表者が選挙管理委員会に請求します。
その後、住民投票が行われて過半数の賛成が集まれば議会は解散となります。

地方議会の解散請求

地方議会の解散請求が出来ます。
条件として地方自治法76条~79寿より「有権者総数の1/3以上の署名」が必要となります。
これを発案代表者が選挙管理委員会に請求します。その後、住民投票が行われて過半数の賛成が集まれば議会は解散となります。

職員の解職請求

副知事、副市町村長、監査委員、選挙管理委員会などの特別な職員を退職させることが出来ます。
条件として地方自治法86条~88条の「有権者総数の1/3以上の署名」が必要となります。これを発案代表者が首長に請求します。
その後、議会の審議で議会総数の2/3以上が出席して、3/4以上が請求に賛成すれば解職となります。

事務監査請求

地方公共団体が具体的にどのような活動をしているのかなどについて監査を請求することが出来ます。
条件として地方自治法75条より、「有権者総数の1/50以上の署名」が必要となります。
発案者代表者が監査委員に請求します。その後、監査が行なわれて結果が公表されます。

自治会の直接請求権

地域住民で構成される町内会などの自治会では、年に一度総会(臨時総会が開かれることもある)が開かれ、全員もしくは有効出席数を満たしたもと、議論や議決が行なわれます。
ただし、それ以外の会合では選出された理事などによって決定されるため『間接民主制』という扱いになります。
自治会の総会の場では、決議事項が限定されているので『直接民主制』の形をとっています。

直接民主制の欠点

直接民主制は、国民や住民の声が直接反映される一方で、以下のような欠点が考えられます。

ポイント

・皆の前で意見を言いにくい
・少数の意見が反映されにくい(多数の意見が重視され、少数意見は軽視されやすい)
・意見が膨大過ぎてしまうと、それを纏めることが不可能となる
・その時の雰囲気や感情論に流された状態で要求を出す危険性がある
・一人一人が意見についての知識が十分でない場合、安易な決断に繋がってしまう

まとめ

直接民主制は、民意を反映しやすいというメリットを持っているが、規模が大きくなればなるほど運用が困難であると考えます。
ただし、世界に目を向けるとスイスのように国政で直接民主制を採用している国も存在します。
もし、日本が直接民主制を国政で採用するのであれば、国民の1人1人が政治への非常に高い関心を持ち、高い知識をもって関わらなくてはいけないと考えます。
そして、今の日本の政治を根本から変えていく勇気と努力が必要と思われます。

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