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政治用語 豆知識

罪刑法定主義とはどんな制度?内容やその理由についてわかりやすく解説!

2020年9月12日

いきなりですが、罪刑法定主義という言葉をご存じですか?
法律を学んでいる方や専門家の方であれば意味がわかっているかと思いますが、一般人として生活している上ではあまり聞かない言葉です。
そこで、今回は罪刑法定主義とは何なのか?ということを解説していきます。

罪刑法定主義とは?

罪刑法定主義とは文字の中に意味が隠されているのですが、刑罰は「法」で「定」められているべき「主義」ということになります。
もう少しかみ砕いて解説すると、犯罪が成立し、刑に処するためには、予め法律で「このような事をした場合は犯罪になる」という事を定め、そうすると「このような刑に処する」という事を定めておかないといけないという意味です。

具体例を挙げると

メモ

刑法199条
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する」

としています。
つまり、「人を殺す」という罪を犯した場合は、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」という刑が処されるということになります。

もし、殺人について何も法が定められていなければ人を殺しても罪にはならず罰を受けさせることができなくなりますので殺人という罪はなくなりません。
どんなに道徳的でも、非難されるような行為でも、法律で犯罪と定められていなければ犯罪とはなりませんので刑に処せられず警察は何もできませんし、被害者も泣き寝入りするしかないということになってしまうのです。

罪を法で定めることで国民に予めどんなことが罪になり、その罪を犯したらどんな処罰が待っているのかを思い知らせることを罪刑法定主義の原則となります。
ですので、罪刑法定主義とは、「法律なければ刑罰なし。法律なければ犯罪なし」と表現されています。

罪刑法定主義の効果

罪刑法定主義を定めることによって次のような効果があります。

規制的機能

犯罪を規定し、その罪を犯した場合に刑罰が加えられると宣言することで、国民に対して犯罪を犯さないように警告する機能です。

法益保護機能

まず、法益という言葉について解説すると、法によって守ろうとする利益のことを言います。

例えば、個人の財産を勝手に持っていくようなことがあっては、財産的な秩序は守られません。そこで、刑法などの法律で窃盗罪を規定して、個人の財産を守るべきです。

刑法は「悪いことをしたら罰する」ものですが、悪いことというのは、守られるべき利益を侵害することで、窃盗罪なら守るべき法益は「個人の財産」ですし、殺人罪であれば守るべき法益は「個人の生命」ということになります。

このように、罪刑法定主義を定めることによって法益を保護する機能を法益保護機能と言います。

自由保障機能

自由保障機能とは、「刑法に書いていない行為は自由にしてよい」と保障する機能の事を言います。
刑法に抵触する行為をすると、禁固や懲役、または死刑というペナルティを受けます。
刑罰法規を適用される側としては大事な事態になるので、どのような行為をすれば罰を受けて、どのような行為であれば罪に問われないかを知りたいものです。
もし、これがわからないと、どのような行為を自由にできるのかわかりません。

刑法などの刑罰法規に書いている行為をすれば罰せられる、ということは逆にいうと、刑法に書いていないことをやっても罰せられないということになります。

罪刑法定主義から派生するの原則

ここでは、罪刑法定主義から派生する原則を解説していきます。

遡及処罰の禁止

遡及処罰の禁止とは、刑法はその施行の時以後の犯罪に対して適用され、施行前の犯罪に対し、遡って適用されることはないとい原則です。

つまり、行為の時に違法であった行為が後に成立した法によって処罰されると、法的安定性を害すので、個人の自由を不当に害し、個人の自由を侵害するおそれがあるからということになります。

慣習刑法の禁止

慣習刑法の禁止とは、犯罪と刑法は法律の形式による明文で規定することを要し、刑法の法源として慣習法を認めないとする原則です。

つまり、慣習や条理を根拠として処罰してはならないということになります。
ただし、慣習や条理が刑法上、全く意味を持ちえないということではなく、刑法を解釈するにあたり、内容の理解や判断の根拠として、慣習や条理が意味を持つことはあります。

類推解釈の禁止

まず、類推解釈について解説すると、法規を超えた事実についてそれに似ている事項について定めた法規を適用することを言います。

類推解釈の禁止とは、刑法において類推解釈をすることは、法律が本来予想している範囲を超えて適法を認めることになるので、罪刑法定主義に反し許されないという原則です。

ただし、行為者の利益になる場合の類推解釈は罪刑法定主義に反するものではなく、自由に許されます。

絶対的不定期刑の禁止

まずは、絶対的不定期について解説すると、「~した者は刑に処する」というように刑の書類と刑の量刑をともに法定しない場合、及び「~した者は懲役に処する」のごとく刑の種類だけを法定しても、刑の量刑を法定しない場合の法定刑のことを言います。

絶対的不定期刑の禁止とは、刑罰を法律で定めることを要求した法律主義に反するので禁止されるという原則です。

ただし、刑の種類と刑の量刑をともに相対的に法定したものは、相対的不定期刑として許されます。

刑罰法規適正の原則

刑罰法規適正の原則とは、刑罰法規に定められる犯罪は、当該行為を犯罪とする合理的根拠があるものでなければならず、刑罰は、その犯罪に均衡して適正なものでなければならないとする原則です。

ただし、犯罪と刑罰が法律に定められていても、その内容が処罰の合理的根拠を欠くときは刑罰権の乱用となり、実質的に国民の人権を侵害することになります。

明確性の原則

罪刑は法定さえされていなければよいという訳ではなく、国民に行動の予測可能を与えられるものでなければなりません。
そのためには、通常の判断能力の有する一般人の理解において、刑罰の対象となる行為を識別できる程度に明確でなければならないという原則です。

刑罰法規の適正

刑罰法規は単に法定されていればよいという訳ではなく、その内容において適正なものでなければなりません
刑罰内容が適正でないとは具体的に

ポイント

1. 憲法の保障する基本的人権を害する場合
2. 処罰の必要性や合理的根拠を欠く場合
3. 刑罰と犯罪の均衡を欠く場合

などが考えられます。

まとめ

罪刑法定主義とは普通に生活していると中々耳にすることはありませんが、このように解説していると身近に関わってくるものだということはわかるのではないでしょうか。
ですので、これから法律を勉強しようと思っている方は必ず知っておかなければならない知識の一つと言えるでしょう。
罪刑法定主義を知ることで日本の刑罰がどのようになるのか、罪刑法定主義から派生している原理を知ることでどのような仕組みになっているのかがおのずとわかってきます。
今まで罪刑法定主義という言葉に全く興味がなかった、全く聞いたことがなかった方も今後は自分の身に関わってくる可能性があるということを念頭において生活していくのもいいかもしれませんね。

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