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政治用語

安全保障理事会ってどういう組織?その活動についてわかりやすく解説!

2020年5月30日

メディアやSNSを通じて、間断なく国際情勢が伝えられる昨今。ネット環境の整備や経済のグローバル化などで世界の国々はより近接し、互いに与える影響も以前よりぐっと強まっています。

当然そういった国際関係は友好的なものだけでなく、時にはきな臭く、また緊張をはらんだものになることも。

そういった国際情勢の(主に不穏な)動きに対応するために、存在しているのが安全保障理事会。でも、実はよく分かってないという方も多いのでは?

今回は、そんな安全保障理事会について、わかりやすく解説します。

安全保障理事会とは

安全保障理事会は、第二次世界大戦後、その反省をふまえて設立された国際連合の六つの主要機関のひとつであり、<平和と安全の維持>を目的としています。国連の中で、事実上の最高意思決定機関と見なされており、全加盟国に対して唯一、法的拘束力のある決定を行うことができます(他の主要機関、例えば国連総会などの決議に対しては、加盟国は従う義務はありません)。日本では安保理(あんぽり)とも略されます。

安全保障理事会には、機関の性格上、特に決まった会期はありません。紛争が起こった時や、平和に対する破壊行為(もしくはその危険)が認められた時に、必要に応じて招集されます。理事会に参加するのは各国の国連大使であり、いかなる緊急事態であっても直ちに会議に駆けつけることができるよう、国連大使はニューヨークにある国際連合本部に常駐するよう義務付けられています。

常任理事国と非常任理事国

安全保障理事会を構成するのは常任理事国と呼ばれるアメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシアの5ヵ国と、任期2年の非常任理事国10ヵ国、の計15ヵ国です。ただし、それ以外の国であっても、紛争などの当事国である場合は討議への参加が認められています。常任理事国が終身メンバーである一方、非常任理事国は立候補のうえ、国連総会で3分の2以上の承認を得なければなりません。しかも連続しての再任は不可。非常任理事国10ヵ国は地理的な公平性を考慮して、アジアから2、アフリカから3、中南米1、西欧2、東欧1の配分と決められています。

常任理事国は第二次世界大戦の戦勝国から選ばれており、もともとは米・英・仏に加えて、中華民国(台湾)とソビエト連邦で組織されていました。その後、1971年の国連総会で中華民国の代表権が中華人民共和国に継承(アルバニア決議)され、また1991年のソビエト連邦解体に伴い、その代表権がロシア共和国に引き継がれたことで現在の形となっています。

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具体的な活動内容

安全保障理事会の具体的な活動は、

  1. ポイント

    • 侵略行為や平和への脅威とみなされる行為があればそれを認定
    • 紛争当事者に対して、平和的手段により問題を解決するよう要請
    • 妥当かつ具体的な解決策も提案
    • 措置として制裁などの非軍事的なものや多国籍軍などの軍事的なものを選択・決定する

などがあります。

ニュースなどで耳にするPKO(Peace Keeping Operation=平和維持活動)は上記の活動を要約したもので、またその中で特に軍事力にフォーカスしたものをPKF(Peace Keeping Force=平和維持軍)と呼びます。

国際連合の憲法とも言える国連憲章では、紛争の抑止や平和状態回復のための武力行使が認められています。そのため、いわゆる国連軍の招集・編成も可能です。ただ、これまで国連軍が実際に編成された例は過去にありません。国際紛争などでは、地理的や経済的な事情により加盟国の思惑が複雑に絡み合うケースが多く、そのため統一された指揮のもとで国連軍を組織するのはかなり難しいようです。

その代わりとして、複数の国が独立した指揮系統のもと、自国軍を紛争解決のために派遣する、多国籍軍と呼ばれるものがあります。安全保障理事会で決議された「勧告」の履行を紛争当事者に要求するため、それぞれの国が紛争地域に(あくまで個別に)派兵するわけですが、実態としてはアメリカが陣頭指揮をとっていることが多く、1950年の朝鮮戦争や、1991年の湾岸戦争などがこれにあたります。

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意思決定と拒否権

安全保障理事会での議決は、9ヵ国以上の賛成が必要です。ところが、他のすべてが賛成にまわったとしても、常任理事国のうちたった一国でも反対票を投じれば、その議案は否決されてしまいます。これを「拒否権」と呼び、常任理事国だけがその権利を有しています。

そもそも第二次大戦後、新設された国際連合になんとか加盟してもらうために、常任理事国に対してしぶしぶ与えたこの拒否権。これこそが安保理が現在機能不全に陥ってしまった最大の要因であるという厳しい指摘もあります。国際紛争が起こった場合、その当事国に対してどれほど厳しい、あるいは効果的な制裁措置を提案してみても常任理事国がその紛争に何かしらの形で絡んでいたらその発議はたちまち否決されてしまうわけです。

事実、国際連合設立以降の主な紛争には必ずと言ってよいほど常任理事国が関与しています。常任理事国は大国であり、周辺各国に様々な影響を及ぼします。時には常任理事国同士の代理戦争として紛争が勃発することも。

朝鮮戦争や第1次~4次中東戦争、イラン・イラク戦争やフォークランド紛争などはその一例ですが、このような場合国連安保理はほぼ機能していないという批判は絶えずあり、しかしながら具体的な解決策は現状、見つかっていません。

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日本の立ち位置

日本の国際連合加盟が承認されたのもこの安全保障理事会での決議であり、昭和31年(1956年)の12月のことです。以来、高度経済成長期の経済復興を背景に、日本も国際連合のなかで存在感を増していきます。非常任理事国にはこれまで12回立候補し、11度選出。2022年に行われる翌23~24年の非常任理事国選挙にも立候補しています。また国連分担金もアメリカ、中国に次いで世界第3位の拠出額となっています。

日本は常任理事国への加入を強く望んでいます。拠出額に応じた発言権を持ちたい、被爆国として核兵器抑止に貢献したい、毎回の非常任理事国選出の活動費の負担を減らしたい、などがその理由と言われていますが、実現は極めて難しいと言わざるを得ません。

その代表的な要因が下記と言われています。

 

憲法9条により国外への武力行使が出来ないため、紛争解決に限界がある

国際的にはアメリカ追従路線と思われており反米諸国から歓迎されない

日本の存在感が増すことを、中国を中心とした東アジア諸国が警戒している

 

また国際連合が戦勝国を中心に設立されたという経緯もあって、未だに国連憲章には敵国条項として敗戦国である日本やドイツが記載されており、これらも常任理事国入りの足かせになっています。

国際関係の悪化と国連の未来は

日本は長らく国連や安保理を尊重し、その存在を重視してきた歴史があります。ただ、ともに常任理事国であるアメリカ・中国の対立の先鋭化など、安保理が対応しきれない事態も近年頻発するなかで、日本が安保理に対し今後どのようなアプローチをかけていくのか、ひとつの重要な局面を迎えているとも言えます。

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